陳満咲杜の「大道至簡」
 

2012年09月13日(木)

クロス通貨ペアの話(5)

前回ユーロ/ポンドを言及していたが、要するにユーロの強弱、対ドルのみではなく、対ポンドの値動きも理解できれば、より鮮明に捉えたわけだ。実際、昨年7月からほぼ一貫して下がり続けていたユーロ/ポンドは7月23日安値をもって下げ止まっていたので、翌日ユーロ/ドルも一旦底打ちをしていたことと整合的に考えれば、ユーロ安一服の可能性を考えられたのである。

遡ってみていくと、メイントレンドはベアとは言え、ユーロは一直線に下がってきたではなく、途中リバウンドを展開していた。例えば、ユーロ/ドルは1月16日の安値をもって一旦底打ち、2月末まで切り返しを展開した。対応的に、ユーロ/ポンドは1月9日から一旦切り返しを展開、2月24日まで反騰していた。タイムラグがあったものの、整合的に両通貨ベアの動向を把握できれば、ユーロの強弱とその変化をいち早く察知できたと思う。

従って、今回7月安値をそろっていた際、同安値更新の有無を注目すべきだった。その後、両通貨ペアはともに安値を更新せず、反騰を続いたことに鑑み、ユーロ全体は売られるではなく、買われっていることを理解できる。ユーロ/ポンドは理論上クロス通貨ペアであるが、実はメイン通貨ペアの役割を果たしているから、他のユーロクロスとの区別をつけておくべきだ。この意味でも、ユーロ/ドルとユーロ/ポンドの整合性を重視することが大事である。

では、他のユーロクロスはどうなっていたでしょうか。ユーロ/円も同じく7月24日にて安値をつけており、その上、同安値は97関門を守っていたから、非常に重要な意味合いを示唆していた。(この辺の話は当方の公式ブログをご参照)、従って、ユーロ/円もユーロの底打ちを示唆するより蓋然性の高いサインを点灯していたわけだ。

巷はユーロ安一辺倒の間最中、ユーロの底打ち、至ってリバウンドを予想するにはそれなりの勇気が必要だ。しかし、ファンダメンタルズに頭を余計に悩まされず、テクニカル・アナリシスに専念すれば、おのずと正解を見えてくる。ユーロクロスの動向を丹念にフォローしていくのもテクニカル・アナリシスにおける重要な一環である。

「ブルベアFX通信」は7月23日から、ユーロ/ドルの長期スパンに関する展望は以下の通りと記していた。当然のように、前記の分析だけでは物足りない。しかし、根拠の一部として活用させていただいていたのは確かである。

「長期スパン:11年5月高値を起点とした下落変動はダブルジグザグ型パターンと示し、そろそろ底打ちしてE波上昇に入る公算だが、2月高値を起点とした下落波は5波構造で、6月1日安値を下回ったことを受け、同序列における最終波に入ったと見なされる。1.2150割れをもって1.2000関門前後まで下値余地を拓くが、リバウンド間近といった判断は不変。200日線を第一ターゲットと看做す。(@7/23)」

実際、一昨日にてユーロ/ドルは200日線を打診し、ブレイクした。だから、「ブルベアFX通信」におけるユーロ/ドルの見通しは9月10日になってから初めて修正されたわけだ。長期スパンの定義とは「1ヶ月〜3ヶ月程度」と定めているだけに、毎日修正されるものではなく、またメイントレンドだからこそ蓋然性が高いわけである。

本日では誰でもECBの政策とか、QE3の可能性云々をもってユーロの反騰を説明できるか、本当のところ、相場はこういった材料が出る前にすでに来るべきトレンドを示唆してくれていた。材料はあくまで後解釈である。



Posted at 23時36分


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プロフィール

株式会社 陳アソシエイツ

代表取締役

陳満咲杜

1992年に来日し、生活費と学費をアルバイトでまかないながら、大学時代より株投資を開始。中国情報専門紙の株式担当記者を経て黎明期のFX業界へ。香港や米国の金融機関で研修を重ね、トレーダーとしての経験を積む。GCAエフエックスバンク マネージングディレクター、イーストヒルジャパン チーフアナリストを経て独立。日本、中国、台湾地域をカバーした執筆、講演、情報サービス、投資家教育などの活動に取り組んでいる。日本テクニカルアナリスト協会検定会員。

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