陳満咲杜の「大道至簡」
 

2012年11月11日(日)

クロス通貨ペアの話(7)

前回指摘したように、ユーロ/ドル、8月6日にてわずかでありながら、8月3日に付けた大陽線の高値を超えていたので、同日ユーロ/豪ドルも一旦切り返しの高値を付けていた。その後、二番底を付け、ユーロ/豪ドルは6日の高値を再度超えれば、ユーロの騰勢がユーロ/豪ドルといった「万年弱気」通貨ペアでも確認できるという意味合いは重要であった。

実際、8月15日にてユーロ/豪ドルは6日高値を更新していた。同時に、ユーロ/ドルが8月6日の高値から小幅反落しており、上昇モメンタムの強さをまだはっきり出していなかった。しかし、前述のように、ユーロ/豪ドルの6日高値更新がユーロの強さを示唆するサインと捉えれば、ユーロ/ドルにも強気に居られ、その後の高値更新(7日では小幅高値更新していたので、具体的に言うと、7日高値更新となる)をもって敢えて高値追いというスタンスに傾けたでしょう。

ユーロ/ドルの高値更新は8月21日だった。その後、上昇モメンタムの加速が見られ、9月17日高値までほぼ一本調子で826pips(8月21日安値から9月17日高値まで)もの上昇幅を達成していた。対応的に、ユーロ/豪ドルは8月15日安値から10月5日高値まで1243pipsもの上昇幅を記録した。因みに、8月21日、ユーロ/ドル、ユーロ/豪ドルは共に大陽線を形成していた。

従って、遅くても8月21日まで、ユーロの強さがユーロ/豪ドルというクロス通貨ペアから証左され、ユーロ/ドルの上昇の原動力を提供、また同調することを確認できたわけだ。クロス通貨ペアとメイン通貨ペアの同調、往々にしてトレンド加速の際に見られるサインだから、しっかり捉えれば、「後出しジャンケン」でもしっかりトレンドを乗れるうえ、相対的に大きな利益を短期間で獲得できるはずだ。

当然のように、ユーロクロス、ユーロ/豪ドルのみではなく、ユーロ/円、ユーロ/ポンドなど通貨ペアからでもユーロ全体の強さを確認でき、多くのクロス通貨ペアを観察リストに載せれば、整合性をもってトレンドの進行を確認できるから、より有効なアプローチとなる。

例えば、ユーロ/円の場合、7月24日安値を付けてから、8月6日にて高値更新していた。そして21日ではやはり大陽線をもって再度高値更新した。ユーロ/ポンドは7月23日以来、8月6日にて主要高値を付けた。8月21日も大陽線を形成していたが、6日高値を更新できなかった。更新できたのは9月7日だったが、この日ユーロ/ドルは191pipsもの値幅をもって急騰した。

このように、ユーロクロス通貨ペアは極めて重要な役割を果たしている。為替の世界、ドルはもっとも重要な通貨であるが、ドルの対極としてユーロの役割もかなり大事だ。ドル/スイスフランの相場は実はユーロ/ドルとユーロ/スイスフランのクロスであると言っても過言ではないように、ドルのみではなく、ユーロのパフォーマンスとの比較で、外貨(ドル、ユーロ以外の通貨)の価値はよく分かる上、ドルストレート通貨ペアのトレンドを探り出すには欠かせない存在でもある。



Posted at 13時00分


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プロフィール

株式会社 陳アソシエイツ

代表取締役

陳満咲杜

1992年に来日し、生活費と学費をアルバイトでまかないながら、大学時代より株投資を開始。中国情報専門紙の株式担当記者を経て黎明期のFX業界へ。香港や米国の金融機関で研修を重ね、トレーダーとしての経験を積む。GCAエフエックスバンク マネージングディレクター、イーストヒルジャパン チーフアナリストを経て独立。日本、中国、台湾地域をカバーした執筆、講演、情報サービス、投資家教育などの活動に取り組んでいる。日本テクニカルアナリスト協会検定会員。

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