陳満咲杜の「大道至簡」
 

2012年12月24日(月)

「森」を見詰める勇気

相場は森羅万像である。ゆえに相場に臨む場合、「木を見て森を見ず」という過ちを犯さないためにも、意図的に一本一本の木(ファンダメンタルズ上の材料)を見逃さなければならない。また、これぐらいの覚悟を持たなければ、相場の全体像を掴むことはできないでしょう。

一番大切なのは「森」を見て正しい判断と行動を行う勇気である。そしてこういった勇気をもつための基礎は「森」をしっかり見ることにほかならない。両要素がお互いリンクしてこそ効果を発揮するものだと考えている。つまり、相場に振りまわれるのではなく、相場の一歩先に行くには、「森」を見ることはもちろん、自らの思考で正しい判断をして行動する勇気を持たなければならない。

今年では、一貫して「ユーロ崩壊論」に否定的な見方を示してきた筆者の判断は目下の相場に証左されているが、2007年末における円高への転換、2008年末の日本株底打ち、2009年末のユーロ反落や2010年後半のユーロ反騰、そして2011年の円高値更新といった予測の実績と同じく、実はたいしたことではない。サブプライム、リーマンショックにしても、ギリシャ危機、スペイン危機にしても、そういった単語が新聞に踊り出す前に、相場の内部構造に沿って見てば、誰でも正しい判断と行動をできたはずだ、相場の内部構造に直視し、ブレないスタンスを持つ勇気があれば。

なにしろ、相場の真実を習得することができたとしても、応用するのは言うほど容易いものではない。専門家からマスコミまで、機関投資家からアマチュアまで、相場の見通しが殆ど一色に染められた時に、自らの意見と意見を主張できる者はそうは多くはないでしょう。大体、相場の内部構造を頭で冷静に確認するよりも、熱い心臓の鼓動に判断と行動が左右されることが多く、それもひとつの真実である。

この意味では、前記の「一本一本の木を見逃す」という言葉ではまだ足りないかもしれない。より正確には、「一本一本の木」そのものだけではなく、「木」に関する世間の見方と解釈、そして極端な反応を注意深く見守ることも大変重要である。相場は大衆の貪欲と恐怖によって往々に行き過ぎると知られる以上、その測定と把握はもっとも有効なアプローチの手法となる。

相場の宿命ともいえる相場の内部構造のあり方は正に相場の真実そのものであり、いくら強調しても大げさではなかろう。特に日本においては、使命感と危機感をもって伝わなければならない節がある。というのは、なぜか日本では相場の内部構造に触れず、ファンダメンタルズから我田引水、かつ事後的な解釈ばかりが流行っているからです。一人でも多くの方が今すぐ相場の真実に目覚めてもらいたいと祈ってやまない、2012年クリスマス・イヴにて。




Posted at 17時53分


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プロフィール

株式会社 陳アソシエイツ

代表取締役

陳満咲杜

1992年に来日し、生活費と学費をアルバイトでまかないながら、大学時代より株投資を開始。中国情報専門紙の株式担当記者を経て黎明期のFX業界へ。香港や米国の金融機関で研修を重ね、トレーダーとしての経験を積む。GCAエフエックスバンク マネージングディレクター、イーストヒルジャパン チーフアナリストを経て独立。日本、中国、台湾地域をカバーした執筆、講演、情報サービス、投資家教育などの活動に取り組んでいる。日本テクニカルアナリスト協会検定会員。

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