陳満咲杜の「大道至簡」
 

新著のご紹介

2012年07月27日(金)

閑話休題

ギリシャ、スペインのみではなく、EUソブリン危機は欧州核心国のドイツまで広がってきた。しかし、ドイツには悪いニュースであるが、危機を解決するために良いことではないかと思う。

というのは、ドイツ人は優越感をもってEUソブリン危機を対岸の火事と見てきた。従って、ドイツ国民にとって、EU危機は他人事ではなく、焦眉の急となってから始めて、EUソブリン危機の夜明けの可能性を見え始めるではないでしょうか。

EUをリードするドイツに悪材料を続出された。格付け機関ムーディーズによる信用見通しをネガティブに格付され、ドイツ製造業やサービス業の7月PMIは予想よりも悪く、景気の収縮状態が示された。一方、マーケットはドイツの悪材料に対した反応を示さなかった。EUのリスク回避先としてのドイツにリスクヘッジの資金が殺到しているから、ドイツの株式、債券マーケットを支えている。

ドイツの景気減速、間違いなくEUソブリン危機がもたした結果だ。ムーディーズのご指摘通り、ギリシャがEU離脱リスクの増大につれ、EU大国のスペインとイタリアのマクロ経済と融資環境を著しく悪化している。EUを救う責任はドイツのみ果たせるが、ドイツ政府は右顧左眄の態度に終始している。

詰まるところ、ドイツ国民はEUソブリン危機の痛みを肌で感じていないからだ。EUソブリン危機と無縁に、ドイツの失業率は依然として6.8%という歴史的に低い水準に留まり、快適に生活レベルは維持されている。リスク回避しようとした資金の殺到で、貸し出し金利を更に押し下げ、先週短期国債のオークションでは、はじめてマイナス金利が出現した。EUソブリン危機だからこそ生じられた現象だ。他人を救うのは結局自分を救うという意識の欠如で、PIIGS諸国の困況を傍観する雰囲気を醸す。

しかし、前述のように、こういった状況に変化が見られている。3年ぶり低い水準に落ち込んでいるドイツ製造業PMIが物語るように、EU内部に半分の輸出シェアを占めるドイツにとって、ユーロ安の恩恵のみを享受し、無傷に入られるのは当然幻想に過ぎないころだ。EUソブリン危機の炎は間違いなくドイツを焼けどさせようとする勢いを見せる。

だから、ドイツの景気後退が強ければ強いほど、また失業率が高まった場合のみ、ドイツ国民に危機感をもたらすだろう。つまり、ドイツ国民は結局PIIGS諸国と同じ船を乗っているから、助けなければ身分も沈んでしまうと悟れることだ。特に難関とされるEU共同債問題、EUソブリン危機を解決する決め手としてドイツも真剣に考えなければならない時期がきただろう。

道のりがまだ長いようだが、少なくともよい方向に進むには現在ドイツの窮境はよい材料と化す。正に「塞翁が馬」である。

Posted at 01時03分 パーマリンク


2012年07月22日(日)

スナイバー&機関銃士(3)

スナイバーとしてのトテーディングエッジを維持していくのは、機関銃士に逆戻らないことがもっとも肝心だ。何故なら、オーバートレード(過剰取引)はFXトレーダーが犯す最も一般的な誤りであるだけに、初心者だけではなく、成功したベテランでもその誘惑に負けるケースが多いからだ。

オーバートレードしているかという問いに、分からないと答えるトレーダーは恐らく過剰取引を繰り返している。というのは、トレーダーが意識していないなら、オーバートレードになりがちだ。換言すれば、一貫して利益を生み出しているトレーダーの殆どが意図的にオーバートレードを回避している。なぜなら、オーバートレードの誘惑が常にそこにあるからだ。

例えば、日足チャートを元に、取引のルールやエントリー、エグジットのポイントを定めたにも関らず、つい4時間足、時間足、更に15分、5分といったより低い時間枠における
取引チャンスに心を奪われていないか、そしてつい大した見込みのない「短期トレード」を繰り返し、オーバートレードに嵌めていないか。

別の例では、現在のトレードが含み益を乗っているからという理由だけで、ポジションを増やしたりしていないか。追加されたトレードは本当に取引プランに基づいた「リアルートレード」だったか、それとも単に最初上手くいっていたポジションに刺激された性急な行動だったか。

このような典型的な状況よりさらに多数のものを加えるが、要するにオーバートレードはごく普通に存在する問題で、オーバートレードの誘惑は常にトレーダーを打ち負ける存在だ。問題は、多くのトレーダーが単に気づかいないことだ。

ゆえに、所謂「スキャルピング」といったやり方の誘惑を意図的に打ち立たないといけない。構造的、必然的にオーバートレードになるようなやり方は必ず失敗するからだ。幾ら優秀なスナイバーでも、短期間打てば打つほど命中率が下がり、命の危険が晒されると同じく、オーバートレードすればするほど、優秀なトレーダーでも損失の運命から抜け出せなくなるからだ。

Posted at 22時33分 パーマリンク


2012年07月21日(土)

スナイバー&機関銃士(2)

我々個人トレーダーは、軍の狙撃兵(スナイバー)からもっとも学ばなければならないは、特定の状況において如何に確実性を確保することであろう。

スナイバーは確実にターゲットを的中するため、スナイバーらは意図的に確信できない狙撃を外し、確実なチャンスのみを捉えようとする。換言すれば、よりすくない行動のほうが勝率を上げることがスナイバーらは熟知している。

外国為替取引は間違いなくこういった特定な状況下に行われている。しかし、多くの個人投資家がより多くの選択肢のほうがいいと感じたままトレードを始めたのは一般的だ。より多い指標、より多い情報、より多い取引は、より多い分析とより多いスステムロジックなどなど・・・

そのような誤解に基づいた信念の結果は当然の如き、そのほとんどが常に過剰取引となりがちだ。ほとんどの初心者が機関銃士と化し、すべての値動きをチャンスとして捉えようとする一心で、手持ちの弾丸(お金)を撃ち捲くる。当然のように、発射された弾丸の数と比例して、取引損も膨らんでいく。命中しない弾は戦争時において直ちに機関銃士の命を落とさないかもしれないが、失敗した取引は確実に元本を損ない、ダメージを与える。

だから、最初のステップとして、個人投資家らは機関銃士ではなくスナイバーとしての自己意識を持つことが重要だ。スナイパーが決められたターゲットをただ辛抱強く待つように、トレーダーは、市場で自分自身が事前に定義されたトレーディングエッジを見つけ出す方法を学習する必要がある。

スナイバーと化すトレーダーは多くの訓練から確信を得られる。それはより多い情報、より多い指標、より多い取引ではなく、より少ない指標、より少ない情報、そしてより少ない取引に如何に収束させることだ。つまり、より少ない選択肢に集約させ、厳選することから確信を生み出させることだ。

なぜなら、複雑かつ常に変化している状況において、すべての選択肢を把握することは不可能だし、そういった試みは返って失敗を招くからだ。スナイバーらは定めたターゲットのみ追求し、自ら選択肢を制限させることによって精度を上げたと同じく、我々一般投資家は自ら選択肢を制限すべきだ。トレーディングエッジを手に入れる近道はまさにこれである。 

このような訓練を多く経験すればするほど、トレーダー成績が改善されるだろう。トレーダーは如何に取引の衝動を抑制し、正しい取引のチャンスを見極めてからはじめてトレーディングエッジを手に入る。そして忍耐が時間にわたって成果をあげるのを見始めるとともに、それを如何に維持していくことも重要である。

Posted at 23時24分 パーマリンク


2012年07月15日(日)

スナイバー&機関銃士

先日WEBセミナーにてシンプルトレードのメソッドを紹介したところ、視聴者から以下の質問をいただいた。「この方法では取引回数がすくなるではないか」

一見取引回数の問題だが、本質では利益の問題となる。なぜなら、パフォーマンスがよければ、取引回数の少ないほうがコストなどの面で有利だから、文句を言う方はいないはずだ。言い変えれば、取引回数云々よりも、市場における価格変動をできるだけ把握し、利益獲得のチャンスとして利用したいから、紹介したメソッドではその大半を見逃してしまうではないかという懸念であろう。

しかし、個人投資家が目指す姿を想像しておけば、おのずと答えが出てこよう。究極の話、個人投資家はスナイバーを目指すべきだ。

軍の狙撃兵、即ちスナイバーは敵の頭を狙うため、エッジを常に維持しなければならない。それらのエッジは、我慢強さ、武器への熟知、射撃技術の熟練、そして高いストレスの状況において、長期間にわたる心と体への製御力を含め、潜意識的叩き込まれ、ゆるぎない能力である。こういった能力はトレーダーにも要求される。

FXトレーダーには、武器に当たるトレーディングエッジが必要だ。またエッジを習得する必要がある。厳格な自己規律とコントロールの方法の確立が必要、また維持するにあたり、誘惑に負けず完璧にしてエッジを実行する必要意思がある。

一般論では、取引における誘惑の大半はオーバートレードとオーバーレバレッジに集約できる。スナイバーと対照的に、オーバートレードやオーバーレバレンジを行うとレーダーは機関銃士のような存在となる。

現在、金融取引におけるストレスは戦争にも負けないほど大きいといった研究結果も出ており、敵を特定できず、状況が常に流動的な金融戦場においては機関銃士の射撃の殆どが命中できないものばかりか、自らの居場所を敵のスナイバーを知らせ、早く命を落とされるリスクが高い。その上、元本(弾薬)の制限で、機関銃士らはすぐでも弾薬(お金)が不足し、本当の戦機が来る前に失敗しがちだ。金融戦場に生き残るには、心と体の意識的な制御する必要がある。

賢明なトレーダーほど、自分の取引を厳選し、選択することからまた学び。それらのトレーダーは、FX市場における"スナイパー"のような存在で、彼らが絶えず銃弾を撃ち続ける機関銃士的なトレーダーと対照的に、長期的な成功を手に入れる。

Posted at 22時36分 パーマリンク


2012年07月13日(金)

ビジネスとしてのFX取引(4)

経営資源のうち、お金、即ち資本金のほうがもっとも大事だ。極端な話、ヒト、モノ、ノウハウ、人材や情報などほかの経営資源のすべてはお金で買えるから、お金はやはり欠かせない要素だし、お金が多いほど成功しやすい。

FX取引をビジネスとして考える場合、元本が多ければ多いほどいい、ということも明白だ。その上、資金の使い方において他のビジネスのないメリットが多い。

元本を資本金と考え、スプレット、手数料や取引損失を運営コストと見なす場合、FX取引というビジネスの運営コストにおける便利さに気づく。

何か商売をやる場合、仕入れに人件費、家賃など固定費用が発生する上、一番問題となるのは不良在庫であろう。場合によってはコストを度外視した安売りでも売り切れないリスクが大きいから、不良在庫を抱える分、コストも膨らんでいく。その上、仕入れにしても、人件費にしても、店舗や工場の家賃にしても、固定費用であるだけに臨機応変に変動できないデメリットがある。

それに比べ、FX取引というビジネスを運営していくには、スプレットや手数料など固定費用は微々たるもので、主なコストは取引による損失であろう。その内、含み損は不良在庫に当たり、不良在庫を処理したい場合、クリックだけで行えるから、他のビジネスではとっても考えられないほどの便利さである。

しかし、実際初心者の多くは損切り、即ち不良在庫の処理をできないから失敗してしまうケースが多い。不良在庫を抱えると、時間を立つにつれ、その処理コストも膨らんでいくことが他のビジネスと同様、またレバレッジを効いているだけに、より致命的になることを悟れないからだ。折角の便利さを自ら放棄したことに等しい。

また、普通の商売をやる場合、仕入れした商品によって売れ行きが違ってくるが、売れるものをできるだけ多く仕入れし、売れないものをできるだけ早めに処分するのが一般的だが、FX取引では逆のやり方を実行してしまう者が多い。

儲かるポジションを早めに決済し、損しているポジションをそのまま残すといったやり方はまさにその典型だ。FX取引をビジネスとして考える場合、如何に馬鹿馬鹿しいかを気づくはずだが、そうしてしまう初心者の方が圧倒的に多い。FX取引をビジネスとしてみていないゆえである。

Posted at 22時34分 パーマリンク


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プロフィール

株式会社 陳アソシエイツ

代表取締役

陳満咲杜

1992年に来日し、生活費と学費をアルバイトでまかないながら、大学時代より株投資を開始。中国情報専門紙の株式担当記者を経て黎明期のFX業界へ。香港や米国の金融機関で研修を重ね、トレーダーとしての経験を積む。GCAエフエックスバンク マネージングディレクター、イーストヒルジャパン チーフアナリストを経て独立。日本、中国、台湾地域をカバーした執筆、講演、情報サービス、投資家教育などの活動に取り組んでいる。日本テクニカルアナリスト協会検定会員。

活動状況

陳アソシエイツ公式WEBサイト。
豊商事YutakaMaeketTVにて毎月放送中
ザイFXでのコラム。毎週金曜日更新。
ラジオNIKKEI「FXトレンドの真実」。毎週月曜放送。
デイリーベースのストラテジーを配信。

著書

2012/7

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