水谷文雄の「為替 ケ・セラ・セラ」
 

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2010年07月22日(木)

Prepared But Not Ready to Act!

Hola!
Que tal?
Muchisimo calor!
暑いですね。昨日は夕方からプールに行きましてのんびりと水泳です。プールの水が温泉のように暖かい。夏はもう少し冷やしてほしいものです。屋内プールであり、ガラス張りですから、どうしても夏の時期は温度調整が難しいのではと思います。冬に来ると本当に少なく快適で、そして程よい水温になっています。水泳は冬に限るというのが印象です。ここ一週間は米国人の友人がマレーシア、シンガポール出張でいろいろ動いており、会議の合間にSkypeで頻繁にビデオ電話をしてきます。今日も先ほどチャンギ空港から電話してきました。全て無料です。便利な世の中になったものです。バーンナンキFRB議長の議会証言についても意見交換しました。

「Prepared But Not Ready to Act」とのタイトルがウォール・ストリート・ジャーナル紙(WSJ)の見出しであり、バーナンキFRB(米連邦準備理事会)議長の証言の全てではないかと思います。金融市場はバーナンキ議長は米景気後退懸念を強く意識していると確信していると解釈しました。しかし追加金融政策に打って出る現状ではないと解釈したようです。短期金利先物ではフェッドファンド先物もユーロドル先物も買い基調であり、金利が低下傾向をバーナンキ議長議会証言後も続いているようです。
2月の議会証言では(雪のためテキストによる議会証言となりました。)、景気回復により、景気刺激策はそろそろ解除すべきとして、出口戦略のプロセスについて詳細に語られました。その場面と比べると様変わりです。2月の議会証言についてコメントしている当ブログを参照していただければ、様変わりの違いが分かると思います。今回は出口戦略は封印して、現状を「unusually uncertain」として異例に不透明と断言しています。「物価の安定を念頭に置きながら、米国の潜在生産力のフル稼働状態への回復を押し上げるため、引き続き必要に応じて一段の措置を講ずる用意がある。」としています。英語では次のような表現を使われています。「We remain prepared to take further policy actions as needed to foster a return to full utilization of our nation's productive potential in a context of price stability. 」その後の発言では追加対策として、モーゲージ債償還益の再投資、債券の追加購入、そして余剰準備金に対する金利の引き下げであるが、検討は十分には行っていないとしています。これが見出しにWSJの見出しとなっているわけです。市場の反応は「for an extended period」が続くとして、金利債券市場では、ドル金利低下を引きずっています。私もさらに利上げが遠のいているとの印象です。これほど悪いかどうか、米国人に確かめてみるか、現地調査をしてみるか考えないといけないようです。旅の口実です。

ドイツ連邦債と米国債を2年債で比べると今回のユーロ高の理由付けにされそうです。ドル金利は長短金利ともに下落傾向、反対にドイツ連邦債は直近では下がっていますが、ドル金利を上回っています。7月5日以来逆転です。下記チャート参照。赤線2年米国債、黒線2年ドイル連邦債。ユーロ圏諸国は金融機関の信用リスクから資金繰り難が推測されます。短期金利上昇が目立っている状況で、2年債近辺にまで影響が及んでいるのではと推測します。これもユーロ買い戻しの理由としては十分だ。ファンド筋はドル金利下落リスクに不快感を持ち始めている。

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それでは為替市場を見ましょう。
ドルインデックス:12月1日安値74.36起点のギャンライン1x3(83.66)を割り込み、1x4(81.37)に向かうのではと思います。バーナンキFRB議長の議会証言で、金利低下方向がはっきりとした訳ですが、ドル買いの動きになっています。どうにも理解に苦しむ動きです。ドル/円だけが素直にドル売りに向かっている。全体としてドル買いの動きになっているが、短期的動きに終わるのではないかと思う。

ドル/円:バーナンキ議長の議会証言以降ドル売り傾向が強まっています。ギャンスクエアの非常に重要な節目86.00を目指す動きと思います。政府当局の口先介入も出てくるでしょう。86.00を阻止しないと81.00の次の非常に重要な節目を目指す動きになります。日本国内要因ではないだけに政府としても何としても阻止したいのではと思いたくなります。輸出業者の悲鳴が浮かぶ。8月10日高値97.68起点のギャンライン1x4(87.31)が上値レジスタンス(抵抗線)。RSIは31.2とドル売られ過ぎの水準。意外と短命かも知れませんね。

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ユーロ/ドル:不可解な動きですね。ドル金利低下にドル売りに反応しない。ドイツ長期債入札不調との報道があったものの、ストレステストの結果に対して楽観的見通しが支配的。中東筋の利食い売りでも入ったのか。短期的なユーロ売りではないかと思います。6月7日安値1.1914起点のギャンライン1x2(1.2886)に戻る動きになるのではと推測します。

ポンド/ドル:こちらも不可解な動きです。米金利低下にドル売りに反応しない。金利市場は素直です。短期的ポンド売りに終わるのではと推測します。5月19日安値1.4296起点のギャンライン1x2(1.5342)に戻る動きになるのではと思います。セオリー通りの相場に戻ってほしい。逆にそこが為替も面白いところです。

豪ドル/ドル:こちらもセオリーに反した動きです。底値拾いのスタンスで行きたい。11月16日高値0.9370起点のギャンライン1x8(0.8672)辺りが底値拾いの水準かと思います。

それでは。

ケ・セラ・セラ


Posted at 15時42分  コメント ( 0 )


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プロフィール

ODL JAPAN株式会社

アナリスト

水谷文雄

スイス銀行(現UBS銀行)にて20年余に亘り外国為替及び金利・債券市場部門で活躍。1980年代の為替相場大変動期の為替市場を体験する数少ない為替ディーラー。ファンダメンタルズ分析、特に欧州諸国で強みを発揮し、テクニカル分析においても定評を得る。ほぼ全部門に精通する国際金融のプロフェッショナル。
プライベートではスペインとの関わりを深く持つ文化人でもあり、スペイン情報発信センターをインターネット上で主催。スペインと日本の文化・経済交流を夢見るロマンティストでもある。

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