水谷文雄の「為替 ケ・セラ・セラ」
 

2014年09月24日(水)

トリシェさんが「コードワード」に言及!

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Hola!
Que tal?
Muy bien, gracias!
今日の一枚も明治村の一コマです。今日は昔懐かしい市電です。明治時代に名古屋で走っていたものです。広島で市電を見ましたが、古い車両と、現代的な車両が走っている。昔学生時代に京王線で板張りの電車が走っていました。市電は、排気ガスを排出することなく、市街地では地球に優しい乗り物です。車社会から脱出する一つの交通手段としてヨーロッパでは脚光を浴びている。昔出張で行ったチューリッヒの市街地も市電が中心街に走っています。切符のチェックがないのですが、抜き打ちでチェックされるという。マナーを守って人件費安くする運営が期待される。夜のチューリッヒでは、私とカナダ人ディーラーとで線路の真ん中に座り、チューリッヒを支配した感じを楽しみました。昔の懐かしい思い出です。

日経新聞で今月はトリシェ前ECB総裁の「私の履歴書」が連載されています。興味深く毎日読んでいます。理科系の大学に進学し、そしてエリート養成の学校に進学し、その後エリート街道まっしぐらの人生のようです。その中で、ECB総裁の記述で、「コードワード」を記者会見の場で発するように気を付けていましたと言っておられる。市場にサプライズを与えると混乱する。事前に確約はしないものの、金融政策方針を放っておくとしています。現在でもその習慣をドラギ総裁は引き継がれているようです。9月の定例理事会ではサプライズになりましたが、市場参加者の検知予想不足であったのでも考えらます。消費者物価指数との関係を見れば予測可能と言えます。次回以降の金融政策のヒントを常に発信していると語っている。現在のドラギ総裁は量的緩和実施をすると発しておられ、そのためユーロは常に下落基調となっています。今後も「コードワード」に注意したい。その意味で昨日のドラギ総裁の欧州議会での証言でのコードワードがある。「ECBの政策金利は下限に到達した。」はこれ以上の引き下げはないと意味している。0.05%から0.00%はないということです。そして「ECBは必要に応じて追加措置を実施する用意がある。」は国債購入など量的緩和に踏み切りますと言っていると解釈します。この意味では金融緩和の手綱は緩めないことを意味する。ビッグピクチャーはユーロ安方向だと言えます。先週の日経新聞では、ユーロ高相場の記事が出ていたので驚いたのですが、どうも記者自身がディーリングルーム経験体験がなく、しかも最近の為替アナリストの多くが実際のディーリング経験なしの優秀な頭だけで考えていることに因るのではと思います。実際インターバンク取引では、世界的に見ても対ドル相場取引が主流です。クロス円はあくまでの合成通貨ペアです。それを日本の企業は顧客担当ディーラーからプライスを得ているのです。Doneすればドル円とユーロドルでスポットディーラーがインターバンクでカバーすることになります。不慣れな中小銀行は大銀行からクロス円でカバーすることになります。その流れを見れば、どうしてユーロ高相場と言い切ることが出来るのかと思います。ドル中心で見ていない証拠です。欧米金融機関は6カ月後には1.20割れを予想している。最近のマスコミに良く出る為替アナリストも同様であると思います。実戦経験なしのアナリストが余りにも多い。個人金融部門閉鎖の米系大手銀行のマスコミに良く出るコメンテーターはその典型だと思います。為替予測に定評があるとのことですが、ごくごく一般的なことを言っているだけです。そして予測はいつもNYベースのものであり、こんな人に高い報酬を払って雇っているとは。普通の街の主婦でもちょっと勉強すれば十分コメントできるレベルです。私は鼻から信用しません。このような人種はディーラーの心理と言うものを理解していません。市場心理を読めない人にはコメントは控えてほしい。このことは結構重要だと思います。

リトマス紙10年米国債利回り2.52%と2.60%からは下落している。米軍のシリア空爆、中国リスクが取り上げられやすい市場環境の結果でしょうか。ダウ平均が連日の安値、しかしドルインデックスは84.71とドル高が基本の市場環境は顕在のようです。

それでは為替市場を見ましょう。

ドル/円:引き続き読み通りの展開です。日米中央銀行の金融スタンスの差が為替相場に表れている。現在は調整期間の入口のように思います。下記は日足です。ギャンチャートでは7月18日安値起点の2x1と3x1の間のゾーンを上方方向に向うというのがビッグピクチャーです。下がっても2x1(107.50)でサポートされます。現在3x1は110.56の位置にあります。市場心理としては、本邦輸入企業のドル買い予約の遅れが調整局面では底値を支えます。上値では本邦輸出企業のドル売り予約にはそれ程焦りはないように思います。その意味でドル上昇圧力が支配する市場環境と思います。ストキャスティックスは下方基調であり、もう少し調整局面が続く可能性があるのではと言えます。こっそりと仕込みたい所です。そして根っ子のドルショートはしっかりと維持したい。短期的動きを時間足で見ると、20本EMAは何となく丘形成のような形状です。もう少し下がるのかなとのイメージを持ちます。

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ユーロ/ドル:ドラギ総裁の「コードワード」からユーロ安との見方がビッグピクチャーです。上値はボリンジャーバンドのミドルバンドがレジスタンス、下限バンドとのかい離はそれほどなくなってきている。下値リスクが高まりやすい。ユーロ圏経済下方リスクがあり、また制裁合戦の結果、ロシアがガス問題を取り上げだしてくるとドイツ経済後退の本格的にユーロ安相場到来となります。クロス円でも円安だけが反映されたユーロ円ですから、そろそろ落とされる相場になりつつあります。

ポンド/ドル:スコットランド問題が剥げ落ち、本格的にBOEの利上げ論がメインテーマになるかのポンド高が今週は続く。来年初めにも利上げ開始をするのではとの観測が強い。2名のBOEメンバーが利上げを主張している。ギャンチャートでは、7月16日高値起点の1x1を上回ってきました。現在は1.6335に位置する。Buy on dipsですね。90日移動平均線がそろそろ上向きにあるようでポジティブに考えたい。ストキャスティックスは中立圏から上方転換気味です。

豪ドル/ドル:月曜日著名な経済学者ルービニ氏が、「中国の景気後退と豪政府の引き締め財政政策のため来年2%成長にとどまる。政策金利(現在2.50%)は2.00%に引き下げ、豪ドルが20%下がると予想。(0.75以下になることになる。)」との見解がきっかけであったようです。中国景気の後退は、マークイット製造業PMIの雇用のサブ指数を見ると、長期的悪化傾向にあるようです。不動産バブル破裂、理財商品の不良債権化、シャドーバンキングなど中国経済は実体の不透明感リスクが広がり、本物の不透明感が市場に広がりつつあるリスクがあります。資源価格等商品相場の下落も資源投資部門の悪化が予想される。チャート的には、ギャンチャートでは1月24日安値起点の1x8を下回る豪ドル安の相場になっている。シカゴ筋が先週火曜日時点で豪ドルロングになっており、恐怖心から損切相場になっています。ボリンジャーバンドの下限バンドに沿った豪ドル安相場、1月24日安値0.8675辺りが下値目安となります。ストキャスティックスは下値圏にとどまる動きになっています。中長期豪ドル投資の参加者は様子見を決め込みたい。短期筋は豪ドル売りで攻めるのではと思います。逃げ足も速いのではと思います。

NZD相場:フォンテラ社は酪農家からの牛乳買い取り価格をキロ当たり6.00NZDから5.30NZDに引き下げたことが直近の話題です。GDT Indexが低いための措置のようです。今朝のNZ:8月貿易収支4.75億NZD赤字と予想より赤字幅が少ない。少しNZD買戻しもあるようです。RBNZは利上げセッション停止であり、来年春頃には再度利上げに入るのかもしれません。それまではNZD安がビッグピクチャーです。対ドル相場では、ギャンチャートを見ると、7月11日高値起点の1x2に沿った動き、そしてボリンジャーバンドの下限バンドに沿った動きとも言えます。5日移動平均線が上値レジスタンス。対円相場では、円安が大きな担保となっています。しかし90日移動平均線に近く、下値リスクが高いと言えます。中長期投資目的の投資家はしばらく様子見が賢明と言えます。

それでは。Mucha suerte!

ケ・セラ・セラ



Posted at 15時04分


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プロフィール

国際金融アナリスト

水谷文雄

スイス銀行(現UBS銀行)にて20年余に亘り外国為替及び金利・債券市場部門で活躍。1980年代の為替相場大変動期の為替市場を体験する数少ない為替ディーラー。ファンダメンタルズ分析、特に欧州諸国で強みを発揮し、テクニカル分析においても定評を得る。ほぼ全部門に精通する国際金融のプロフェッショナル。
プライベートではスペインとの関わりを深く持つ文化人でもあり、スペイン情報発信センターをインターネット上で主催。スペインと日本の文化・経済交流を夢見るロマンティストでもある。

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