水谷文雄の「為替 ケ・セラ・セラ」
 

2016年01月21日(木)

原油安、中国懸念から本当にFRB利上げするの?

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Hola!
Qué tal!
Muy bien, gracias!
地元大宮の氷川神社を訪れましたが、側の大宮公園では紅梅が満開でした。形の良い松とのコントラストが素晴らしい。写真をお楽しみください。今週は寒いのですが、流れは春近しということではないか。近くの公園では12月からちらほらと紅梅が咲き始めました。熊の冬眠が浅いということで、熊を見かけるとのことです。やはり異常天候、温暖化が進む地球です。また暑い暑い夏が今年も来るかと思うと憂鬱になります。

原油安、中国経済減速が市場テーマの主役から降ろそうにない。今週は経済制裁が解除されることからイラン産原油の輸出再開が話題のようです。当然供給が増えると原油価格は下がります。サウジアラビアと国交断絶状態ですから、両国で交渉することはない。サウジアラビアは原油安から国家財政が赤字基調となり、SAMAなどがこれまでの海外投資資産を金融を含めて売却を急ぎ、国家財政の不足分を補てんに充てます。サウジアラビアが通貨サウジレアルを切り下げするのではとの観測もあるようです。そして米国ではシェール・オイル・ガスの開発がストップすることになります。シェール・オイル・ガス開発業者、関連企業が真っ青になります。そしてシェール・オイル長者はこれまでのようなバブル経済を謳歌できないことになります。そしてもう一つの主役中国経済がちょっとおかしい。昨日の日経新聞では、1.製造業の過剰設備、2.山積みの不動産在庫、3.金融市場の混乱の3つについて記述している。これを読むと相当に悪い。そして昨年実質6.9%のGDPも名目では6.4%と0.5%も低い。IMFの経済予測では今年6.3%、来年6.0%と悪くなる傾向です。賃金高から製造業が東南アジア、インドと周辺諸国に工場移転が進む中、サービス業に経済自体を移行させる必要があります。現在その過渡期にあり、少々の経済停滞は致し方ないようです。それを中国共産党政権がどのように説明、統治するかが問題なようです。今後中国の海外投資も低下する方向になるのか注目です。当然米国経済に与える影響が大です。

このため、本当にFRBは今年利上げに踏み切るのかどうかに、そして何回利上げに踏み切るのかあれこれ論説が出てき始めました。私は債券・金利の動向でFRBの動きを読み取りたい。銀行のディーリングルームでは毎朝金利、債券ディーラーの考えを為替ディーラーにインプットします。そして銀行全体の方針が決められる。中期的見方の金利ディーラーの意見に為替ディーラーの心揺さぶられます。10年米国債利回り1.98%と2%を割り込みました。そして短期金利先物ユーロドル(3ヶ月物)12月限0.90%と1%の水準を下回る動きとなっています。これは今年0.25%毎2回FRB利上げに踏み切ることに疑問符をつけることになります。現状は0.25%引き上げ1回、そして2回目が行われるか非常に疑問に思い始めている金利ディーラーと言えます。下記は12月限チャートです。緑丸部分は、左は昨年10月から11月に12月にも利上げ確実視された局面前の水準:99.10〜15(0.90〜0.85%)です。それが真ん中下の98.75(1.25%)まで下落(金利上昇)の動きとなりました。0.25%毎3回の利上げが織り込まれました。それが今年に入り、上昇(金利下落)の動きとなり、現在右丸部分と昨年10月〜11月の水準となっています。イエレン議長は、外部要因の影響を考えざるを得ない状況に追い込まれているのではと推測します。1回は確実、2回目が実際行われるかどうかと言った所ではないかと思います。原油価格低迷と中国経済景気後退は、直ぐに解消される問題ではない。一時的に楽観観測が強まっても、その後は不透明感が漂う。FRBは今年1回利上げを実施し、その後の動きを見守る姿勢を強めるのではと思います。エコノミストによっては今年利上げがないのではと説く弱気派が増殖中と言えます。

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それでは為替相場を見ましょう。ドルインデックスは99.10水準と総じて99前後で安定しています。円高、ユーロ:1.08〜1.10水準で安定、ポンド安、オセアニア通貨安とでこぼこは激しいものの、上手くバランスがとれています。円高、ドル高の相場と解釈したい。

ドル/円:次第に下値を固めつつあるチャートではないかと思います。政府から介入が出てきそうな金融市場です。アベノミクスの象徴である株高と円安の構図が崩れそうです。株安と円高で企業業績悪化、内部留保の縮小、従業員への賃金配分の低下、消費の縮小、デフレ懸念の顕在化の方向に向く現状を感じます。今朝政府幹部から日銀への圧力、円高阻止等の過激な発言が相次いでいます。WSJとのインタビューと手が込んでいる。ギャンスクエアの116の非常に重要な節目が破られるかに注目したい。ボリンジャーバンドの下限バンドからはかい離し始めており、ローソク足との関係を見ると、117.00が次第に強固なサポートになるか注目です。しかし外部ファンダメンタルズはリスク回避志向と、まだまだ油断をするわけには行かない。ストキャスティックスは中間位置です。兜町、上海、NY株価と株次第の側面はある。そして油です。時間足で見ると、20本EMAは上下曲線を描く。昨日は上方曲線、そしてローソク足上抜けと、Buy on dipsの展開。そして現在はEMA水準にまで落ちるローソク足です。一日の内に決着を付けたい所です。あくまで上抜け局面を狙いたい。MACDも参考にしたい。現在は中期的スクエアポジション。シカゴ筋の動向にも注意。現在は円ロングポジションとなっている。

ユーロ/ドル:今日のECBでは何ら追加策の発表はないという予定。但しドラギECB総裁は原油、中国と悪材料のユーロ圏経済への悪影響を懸念するのでしょう。基本はECB緩和策の経済、ユーロ短期金利マイナス体系と、中期的ユーロ安継続と言うのがビッグピクチャーです。ボリンジャーバンドの上下バンド幅が並行に進み、こう着感があります。フィボナッチ分析10月15日高値と12月3日安値の61.8%戻しがレジスタンスになっている。ミドルバンドともほぼ一致。下方向かなとのアイディアで行きます。ストキャスティックスは下方基調。時間足では、20本EMAが下方曲線になった場合のみ出動。EMA水準でSell on rally の作戦継続。MACDが現在ゴールデンクロスになっており、短期的にはユーロ高方向に振れるのではと思います。

ポンド/ドル:カーニーBOE総裁が今週火曜日、現在は利上げをする時期ではないとして、外部環境の悪化を懸念しているようです。今年の利上げはないのではとの観測が支配的ではと思います。短期金利先物ショート・スターリング6月限0.59%と12月中旬の0.75%からは低下してきている。金利に素直にポンド安の動きになってきている。チャート的には綺麗なポンド安相場となっている。ボリンジャーバンドの下限バンドに沿った動き、5日移動平均線がレジスタンスとなっている。ストキャスティックスは上方基調と微妙。やはり私には門外漢通貨です。

豪ドル/ドル:豪主要紙を読んでいたら、RBAが6月にも利下げに踏み切るとの記事を目にしました。そんなに遅くて良いのですかとの印象です。それよりも早い時期に利下げしないといけないのではと思います。中国景気後退、資源価格低迷から、RBA利下げに追い込まれるとのシナリオを描きます。下記は日足チャートです。年初から豪ドル安相場を続け、現在は底値を固めつつあるようです。ボリンジャーバンドの下限バンドからはかい離が見られ、現在利食いの買い戻し相場となっている。真ん中の緑線は2014年9月8日高値起点の2x1です。この線を依然として重視。現在0.7013です。この辺りで再度豪ドル売りを振ることになります。ストキャスティックスは上方基調と現在の戻り歩調を示している。短期的動きを時間足で見ると、20本EMAは上下曲線を連続しています。やはり下げ相場を狙いたい。その意味では現在EMAをローソク足が下抜けしており、豪ドル売り仕掛けでよいのではと思います。MACDもデッドクロスと支援材料と言えます。クロス円も同様のチャートになっている。対ドルで円高チャートは豪ドル売りをアシストします。

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NZD相場:GDTは1.9%のプラスになりました。オセアニア通貨の特性で、資源安、中国経済懸念からNZD安の動きになっている。こちらもRBNZが6月までには利下げに踏み切るとの観測があります。チャート的には現在は利食いの買い戻し時期。チャートに忠実でありたい。0.6600近辺、つまり90日移動平均線水準ではNZD売りで臨みたい所です。ストキャスティックスは上方基調。80%に戻ったら売りましょう。

総じて、このようなリスク回避志向の相場時のチャートを深く記憶しておきましょう。きっと今後の相場変動時に役に立ちます。そして相場の心理状態を読むことです。

Mucha suerte!

ケ・セラ・セラ



Posted at 15時14分


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プロフィール

国際金融アナリスト

水谷文雄

スイス銀行(現UBS銀行)にて20年余に亘り外国為替及び金利・債券市場部門で活躍。1980年代の為替相場大変動期の為替市場を体験する数少ない為替ディーラー。ファンダメンタルズ分析、特に欧州諸国で強みを発揮し、テクニカル分析においても定評を得る。ほぼ全部門に精通する国際金融のプロフェッショナル。
プライベートではスペインとの関わりを深く持つ文化人でもあり、スペイン情報発信センターをインターネット上で主催。スペインと日本の文化・経済交流を夢見るロマンティストでもある。

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