水谷文雄の「為替 ケ・セラ・セラ」
 

2016年02月25日(木)

ポンド主役の座!

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Hola!
Qué tal!
Muy bien, gracias!
今朝起きたら周辺の家々は真っ白。銀世界が広がっていました。昨晩は寒いなと感じていたのですが、雪が降るとは思ってもいませんでした。226事件の当日は雪。80年前の軍将校による首相官邸を占拠したクーデターでした。昨晩のNHK歴史ヒストリアでは、岡田首相の脱出劇を再現していました。女中部屋の押し入れに隠れて、脱出する機会を伺っていました。福田耕秘書官が作戦を練って実行することになり、危機一髪の脱出劇であったようです。この時代、民主化を進めた政治家は次々と抹殺され、軍部主導で軍国主義に走ってしまったことは非常に残念です。今日の写真も皇居周辺の風景です。都会のオアシスですね。

ポンドが主役の座に躍り出ました。BBC放送を日頃見ているので、その経緯は分かりやすい。しかし不意打ちに会うポンド相場、手を出すことには躊躇します。私には門外漢通貨です。私には欧州通貨はユーロとスイスフランで十分です。スイスフランは昔の杵柄であり、手掛けやすい。参加者によってはスイスフランは手を出しにくいとの意見もありますが。ポンド安相場形成の中心人物はボリス・ジョンソン・ロンドン市長のEU離脱方向の運動です。ボリスと言う名前、そして風貌からドイツ系の人物ではないかと思いました。しかし父方は英国王室の系統、オスマン帝国末期の内相の系譜、母方はロシア系ユダヤ人の血を引く。大学を出て、デイリーテレグラフの記者でEU特派員を経験されている。EUのことは十二分に理解されていると言えます。EU離脱発言のインタビューを聞いていたら、欧州司法裁判所の硬直性、EU議会と言うスーパーメガガバーメントを考えると、30年後の英国を見据えて、良い貿易条件、英国の主権を守るため民主主義の基本を引き出した方が良いとの離脱賛成意見のようです。自転車通勤であり、庶民性を前面に出しており、貴族階層出身者とは一線を画しているようです。これも英国庶民からは人気を博する要因ではと思います。実際には貴族社会の一員になる資格があるようですが。実際にEU離脱となると、ロンドン中心の金融界はどうしても大陸に拠点を設けることになります。ロンドン証券取引所とドイツ証券取引所との統合の話も出ている。今日のメディア報道を見ていたら、カーニーBOE総裁が、Brexit(英離脱)投票後、必要であれば景気刺激をするために利下げ又は資産買入れの可能性もあると発言されているようです。カンリフBOE副総裁も、BOEは必要なら一段の刺激策を導入する用意があると語っている。こちらも利下げを散らつかしている。WSJの論評を読むと、ポンド安が進むと短期的にインフレ目標達成には通貨安で役に立つが、しかし利上げをすることにはならないとしています。HSBCのアナリストは6月23日国民投票までに、15〜20%下落する可能性があるとしている。1.43を基準にすると15%で1.2155、20%で1.1440です。またRaboBankアナリストは1.3500が当面の下値目安としている。シカゴ筋は先週火曜日時点でポンド・ネット・ショート36,255枚であり、比較的少ない。過去8年程のポジションを見ていたら、8万枚程度の積み上がりの実績はある。どこまで積み上がるか見守りたい。倍程度は積み上がるのでしょう。そう見るとまだまだ国民投票は先であり、下げ相場が始まったのばかりとも言えます。門外漢の私も少しばかりポジション取りに走っても良さそうです。金利の動きは冷静です。ギルト債はやや買われる動き、これはリスク回避の動きのようです。短期金利ショート・スターリング9月限0.60%と先週からほとんど動きはない。金利ディーラーは冷静なようです。BOE幹部の話が、利上げか利下げかどちらであるのか分からず不透明なことを示しています。金利は中立と言えます。通貨防衛で利下げ方向に傾き出したら、ポンド安が進みやすいと言えます。週末開催のG20財務相・中央銀行総裁会議を控えており、当局としては通貨安競争に踏み出すわけには行かない。現在のポンド安は思惑だけが先行する格好と言えます。その意味でシカゴ筋の数字に注目したい。

他の金融商品の動きとしては、原油価格が30ドル台を維持している。そして鉄鉱石価格も50ドル台に乗っている。商品価格安定は為替市場のリスク志向に向かう可能性を秘めている。米債券市場は全く変化がなく、10年債で1.75%前後の動きになっている。2%方向の動きが出てくるとドル高相場が予想されます。ユーロドル金利先物12月限0.79%とFRB年内0.25%利上げを織り込む水準にあります。10年スイス連邦債−0.41%とマイナス幅を広げていることが目立ちます。その意味ではリスク回避志向の相場と言えます。ドル/スイス1.00を下回ってきている。ちょっと気になったWSJの記事は、米JP Morganが貸倒引当金を積み増していることです。投機的融資先判断の企業が4割から6割に増えている。合計で5億ドル(4億ドルがオイル・ガス関連企業、1億ドルが鉱物資源会社)と言うこと。やはり原油安からシェール関連が傷んでいるようです。このような状況では利上げなど到底できないと推測します。FRBが利上げを先送りする根拠となる。米債利回りが2%を上回っていくことは当面難しい。

為替市場を見ましょう。ドルインデックスは97.45水準と100と95のレンジと見ると中間位置です。

ドル/円:日足チャートで判断すると、ギャンチャートでは2014年7月18日安値起点の1x2(115.27)と1x3(110.52)に位置する。ボリンジャーバンドの下限バンド(109.47)、ミドルバンド(114.58)に位置します。概ね115.00と110.00のレンジと捉えたい。米債利回りが上昇に向かわないと、下落を強めることになります。ストキャスティックスは上方曲線と、下限バンドとのかい離もあり、買戻しの局面も予想される。週末のG20では通貨安競争に走らないことは確認しそうです。時間足で見ると、20本EMAは鍋底を終え、上昇基調になっている。113.00手前まで進む可能性もあるのではと想定。原油相場上昇、米金利動向を考えると、依然としてSell on rallyの作戦が良いのではと思います。

ユーロ/ドル:ポンドに主役の座を奪われ小動きが続いています。しかし基本はユーロ安相場展開ではと思います。フィボナッチ分析10月15日高値と10月3日安値の間の50%戻し(1.1006)がサポートなっている。現在は利食いと新たなショート構築が拮抗している。ポンド安が誘い水に61.8%戻し(1.0892)に向かう可能性大ではと思います。ドル高相場になれば、その傾向を強める。ドイツ銀行など信用不安材料も後押しします。90日移動平均線(1.0911)も控えている。時間足で見ると、20本EMAは概ね水平方向です。短期筋のショートの利食いも出ている。

ポンド/ドル:下記は日足チャートです。EU離脱の議論が6月23日までは続く、長期戦です。緑のサポートライン(1.4130)を割り込み、一気にポンド安相場となっている。こう着局面になると半値戻しまでの買い戻しも、過去のチャートからは推測されます。HSBCなど15%から20%安まで予想しており、相当下を目指しているとも言えます。私には門外漢通貨。ユーロ、スイスの相場の参考にしたい。このような場合にはギャンサイクルを参考にしましょう。1.39が北の非常に重要な節目、1.36が重要な節目、1.33が北西の非常に重要な節目、1.30が重要な節目、そして西に位置する1.27が非常に重要な節目です。この数字を参考にしたい。戻りの場合は1.45が非常に重要な節目となります。

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豪ドル/ドル:ポンド売りの相場の中で、地理的に離れている豪ドルが買われる傾向にあります。その影響からか対ドルで0.72を超える相場と一時示現となりました。しかしやはり上値にも限界があるようです。中国景気減速、資源価格下落(鉄鉱石は少し戻り歩調には注意)、非資源部門産業の景気後退、そして当局の通貨安希望とRBAの利下げ観測が依然存在し、豪ドル安がビッグピクチャーと言えます。ボリンジャーバンドの上限バンド(0.7238)からはかい離しています。何となく0.72より上の水準は豪ドル売り安心感があるのではと思います。90日移動平均線とミドルバンドが共に0.7135で現在ほぼ一致しており、この辺りが当面の目標と言えます。ストキャスティックスも下方基調を強めている。時間足で見ると、20本EMAは下方曲線を続けている。短期的にもSell on rallyの展開となっている。

NZD相場:1月の移民数が年間65,900人と過去最大の数字となっている。アジアとオーストラリアからの移民が多い。オーストラリアとはちょっとびっくりです。人口450万人程度の小国、スイスと同じくらいの人口です。移民が経済発展の活力となっている。しかし住宅市場の減速感が出ており、NZ銀行の業績不振につながっていると2日前のNZ主要紙に出ていました。RBNZの利下げがその内に実施されよう。チャートを見ると0.6700以上の水準は売りで対応。ボリンジャーバンドのミドルバンド(0.6633)と90日移動平均線(0.6626)を明確に下回ると、NZD下落に弾みをつけそうです。ストキャスティックスも下方基調を強めている。

週末上海でのG20には注意しましょう。

Mucha suertte!

ケ・セラ・セラ



Posted at 14時01分


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プロフィール

国際金融アナリスト

水谷文雄

スイス銀行(現UBS銀行)にて20年余に亘り外国為替及び金利・債券市場部門で活躍。1980年代の為替相場大変動期の為替市場を体験する数少ない為替ディーラー。ファンダメンタルズ分析、特に欧州諸国で強みを発揮し、テクニカル分析においても定評を得る。ほぼ全部門に精通する国際金融のプロフェッショナル。
プライベートではスペインとの関わりを深く持つ文化人でもあり、スペイン情報発信センターをインターネット上で主催。スペインと日本の文化・経済交流を夢見るロマンティストでもある。

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