水谷文雄の「為替 ケ・セラ・セラ」
 

2016年03月14日(月)

バレンシアの火祭り!

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Hola!
Qué tal!
Muy bien, gracias!
スペインではバレンシアの火祭りが始まりました。スペイン語では、Les Fallas(レス・ファッジャス、簡単にファジャス)と呼びます。スペイン3大祭りのひとつです。昨日から始まり、19日深夜に張りぼての人形に一斉に火をつけます。これでスペインにも春到来となります。写真は、人形と共に、もう一つの主人公、バレンシアの女性です。民族衣装を着飾り、街をパレードします。女性が一番美しく輝く時です。民族衣装ばかりでなく、髪型も独特です。祭壇のマリア像に花を献花し、お祈りをします。街には各所に大小の人形が配置され、そのデザインを競います。今週はバレンシアでは、お祭り騒ぎ、陽気に振る舞います。前向きなスペイン人、経済危機の時代も耐え忍び、そして現在ではユーロ圏1番の経済成長率に復活しています。イタリア人とは近い、意外と耐え忍ぶ国民性があるのではと思います。そして祭りでは羽目を外し、陽気になります。

先週木曜日晩はユーロの変動率が激しくなりました。午後9時45分にはECBが追加金融緩和策を発表しました。政策金利など予想通りの変更幅、そして量的緩和も予想通りの増額も予想通り。しかしTLTRO(targeted long-term refinancing operations)的を絞った長期資金供給オペ)の復活は意外でした。2014年の金融危機当時に始まり、今年6月終了予定であったようです。期間4年、4回実施予定とのことです。政策金利0.00%プラス0.10%のスプレッドのようです。最近取引額が少額であったようです。ECBの強い意図のようだ。そして量的緩和について、購入対象を非銀行系の投資適格社債にまで範囲を広げたようです。国債は銘柄不足、量的にも少なかったことから、範囲を広げたと解釈したい。TLTRO復活と社債を量的緩和購入対象としたことに意外感が出て、ユーロ売りが始まりました。ドラギマジックの始まりと市場は解釈した。しかし午後10時40分にはドラギショックに変貌することになりました。ドラギ総裁が記者会見で、「現在の見通しに基づき、一段の利下げは予想しない。」との発言が市場に伝わりました。このため、ユーロは買戻し、短気筋、シカゴ筋はユーロ買戻しに走りました。1.20水準にまでつけました。そして金利先物ユーリボー9月限−0.265%と前日の−0.32%からは0.055%も上昇する動きとなりました。これ以上の利下げは効果が疑問であり、金融機関の収益も圧迫する。日銀と同じジレンマに陥っているようだ。マイナス金利の負の効果は、タンス預金の増加、過度の不動産投資への傾斜ではないかと思います。昔不動産証券化の不動産ファンド組成に携わっていましたが、SPC(特別目的会社)を用いたトランシェ(Tranche フランス語でパンの一切れと言う意味。優先劣後の投資構造を指し、返済の優先順位高い投資リスクが低い部分は利回り低く、劣後部分は返済順位が下位に位置し投資リスクが高く利回り高い部分を享受できる。)を用いた不動産投資ファンドが益々脚光を浴びそうです。第一優先順位になってもマイナスとはならない。リーマンショック後は金融工学の悪の巣窟として悪者になっていましたが、やっと陽の目が当たることになります。話を戻すと、欧州の金利ディーラーもこれ以上の金利低下には限界にあることに、薄々では気が付いていましたが、ドラギ総裁の口から飛び出したことで、やはりなとの印象があったようです。ユーロの下落は、これからはドル金利上昇に拠るものとなります。ちょっと面白く展開になるのではとあれこれ考えさせられます。

今週は日銀とFRBに注目が当たることになります。日銀はマイナス金利を広げることもあると強がっているように思えてならない。円短期金利先物12月限−0.03%と急速にマイナス幅を広げている動きにはなっていません。確か1月末の日銀マイナス幅導入後の金利体系よりもマイナス幅を狭めている。金利からは据え置きを決め込む黒田丸ではないか。そして水曜日のFRBのFOMCでは、イエレン議長の記者会見はあるものの、金融政策変更には至らないのではと思います。金利先物ユーロドル12月限0.985%と、今年0.25%の利上げを2回行われる水準に近くなってきている。原油価格の落ち着き、中国景気の急速な悪化は、中国当局の資金供給策、公共事業に巨額投資方針となり、避けられるのではないかと観測もあるようです。希望的ではあるものの、実際は不動産投資の悪化、ゾンビ企業のリストラ、生産拠点からサービル業への変化にはまだまだ距離がある。前回貿易収支のグラフで示した通り、縮小降下の貿易傾向が続いている。原油、中国の状況を見守る時間稼ぎにイエレン議長もあるようです。利上げは次の記者会見がある6月15日まで持ち越しになるのではと個人的に思うのですが。6月1回、9月か12月にもう1回の利上げがあるのではと思います。10年債1.98%とリスク志向に傾く動き、短期金利も上昇の動きであると、次第にドル買いの動きが強まるのではないかと思います。ドル買いスタンスが基本方針で行きたい。

それでは為替市場を見ましょう。ドルインデックスは96.20水準とドル売りの流れにあるようです。ドル買い方針には良くない環境と言えます。しばらくは短期決戦の相場環境と私には言えます。

ドル/円:ドル金利上昇、日銀マイナス金利政策維持に、ドル円は上昇しても良さそうなものです。しかしシカゴ筋は先週火曜日時点で円ネット・ロング64,333枚(前週比4,708枚増)と円ロング構築に熱心のようだ。繰り返しリスク回避志向が続くことを予想しているかのようです。爪の垢でも煎じて飲みたいシカゴ筋ではありますが、ここはチャートで判断した方が良さそうだ。それはドル金利上昇の動きになっているからです。シカゴ筋VS.ドル金利動向であるようだ。ボリンジャーバンドの上下バンド幅が縮まり、平行に進む動きになっている。上下バンドをそれぞれのレジスタンス、サポートと判断して良い。どちらかをクリアすると本格的動きに。現在ではドル金利動向から上限バンド(114.45)を監視したい。参考までに下限バンドは112.02に位置します。FOMCで、声明文で落ち着きを見せた外部要因を肯定的に記述してあると、米債10年2.00%超えとなると、ドル買いが強まり、シカゴ筋は損切にまわると上値が結構あるのではと期待したい。

ユーロ/ドル:ドラギマジックからドラギショックの流れがまだ続いているようです。シカゴ筋は損切に走るために、ユーロ高のスピードは速くなります。それに短期筋が加わることになります。チャートを見ると、フィボナッチ分析では、10月15日高値と12月3日安値の間の38.2%戻し(1.1122)を上抜けしている。しかしボリンジャーバンドの上下バンドの形状は広げた口を閉じる形状で、上値も限られるのではと思います。ドル金利上昇からドル高のユーロ安の展開は意外と近いのはと薄々感じることになります。上限バンドが1.1214にあり、この辺りが当面の上値ではと思いたい。5日移動平均線は上方曲線にあり、まだ下落するような気配にはなっていません。幸いECB声明文発表時のユーロ下落局面で幸い利食えたので現在はスクエア。もう少し様子見を決め込みたい。高みの見物の気分です。ストキャスティックスは高値圏に位置、その内に下方転換になるのではと期待したい。時間足で見ても、20本EMAは水平方向。どちらに転ぶのか見たい。やはり下方向では。

ポンド/ドル:2月のEU首脳会合前のポンド高となっています。移民問題が最大の焦点のようであり、ジョンソン・ロンドン市長がEU離脱の前面に立つことになります。短期金利はショートスターリング6月限0.62%と全く動いてない。金利ディーラーは落ち着いて行動しています。為替ディーラーの動きよりも金利ディーラーの動き重視したい。EU離脱は流動的、そしてBOE利上げ観測観も来年に先延び模様。ドル高相場観もあり、中期的にはポンド安方向が有効のようです。チャート的にはボリンジャーバンドの上限バンド(1.4511)辺りを気にすることになります。長期のトレンドを見る90日移動平均線(1.4626)とかなり高い位置にあり、しかも下方曲線も形状です。上値にも限界があるように思えます。シカゴ筋も先週火曜日時点でポンド・ネット・ショート49,005枚とショート維持しています。アイディア的には合っている。

豪ドル/ドル:鉄鉱石価格の上昇(現在は小幅下落模様)、原油価格の上昇が追い風のようです。シカゴ筋は豪ドル・ネット・ロング29,195枚(12,334枚増)とロングを増やす傾向にあります。下記は日足チャートです。3月2日の豪GDPの良い数字が豪ドル上昇のきっかけ、商品相場上昇と共に豪ドル高の動きになっている。右上の走る緑の線はギャンチャート2014年9月5日高値起点の3x1(0.7590)です。この線を明確に上回るかに当面注目したい。今年中の利下げ観測も消えつつあるRBA動向ですが、中国経済の「新常態」の程度は思わしくないと、豪経済は風邪を引くこととなり、RBA利下げ論が復活することになります。ドル高相場もそろそろ復活しそうで、3x1がレジスタンスになるか注目したい。私は損切後、現在はスクエア。上昇スピードが速いのが気になります。5日移動平均線(0.7509)は現在上昇曲線、これをローソク足が下抜けすることになるか注目。ボリンジャーバンドの上限バンドからはそろそろかい離する動きを監視することになります。ストキャスティックスは高値圏にとどまる動き。時間足で見ると、20本EMAをローソク足が勢いよく下抜けする動きに。この動きが強まるかに注目したい。MACDは下方転換模様。豪ドルショート振り時では。

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NZD相場:びっくりポンなRBNZ利下げ後はNZD上昇傾向にあるようですが、上値には限界があるようです。ボリンジャーバンドの上限バンド(0.6800)がレジスタンス。声明文には追加緩和の必要性を謳っている。しかしウィーラー総裁は、利下げが必要でない可能性を示唆している。史上最低のOCR2.25%と未知との領域となっている。当面明日のGDT、ドル動向を見ることとなる。やはりNZD安が中期的見通しではと薄々感じているNZD相場です。

Mucha suerte!

ケ・セラ・セラ



Posted at 17時10分


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プロフィール

国際金融アナリスト

水谷文雄

スイス銀行(現UBS銀行)にて20年余に亘り外国為替及び金利・債券市場部門で活躍。1980年代の為替相場大変動期の為替市場を体験する数少ない為替ディーラー。ファンダメンタルズ分析、特に欧州諸国で強みを発揮し、テクニカル分析においても定評を得る。ほぼ全部門に精通する国際金融のプロフェッショナル。
プライベートではスペインとの関わりを深く持つ文化人でもあり、スペイン情報発信センターをインターネット上で主催。スペインと日本の文化・経済交流を夢見るロマンティストでもある。

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