水谷文雄の「為替 ケ・セラ・セラ」
 

2016年03月17日(木)

FOMC利上げを急がない姿勢→ドル短期金利急低下!

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Hola!
Qué tal!
Muy bien, gracias! Hoy es muy calor, verdad!

今日は本当に暖かいですね。窓を開けたままにしています。しかし粉ぽくて、花粉が大量に飛んでいるようです。早々閉めることとします。今日の写真は、現在開催中のバレンシアの火祭り(Fallas)です。個性的な人形が数多く並んでいます。街のあちこちに大小多くの張りぼての人形が並びます。高いもので20〜30メートルの物まであります。人が自ずと陽気になります。春ですね。日本も今日は春模様。桜の開花は来週あたりでしょうか。

宵の口に発表のFOMC声明文は意外とハト派的内容と解釈されたようです。前回の声明文と並べて比較しました。注目部分は、数カ所と言えます。インフレはここ数ヶ月で天井をつけた。世界経済と金融の動向はリスクを抱えた状態を続けている。「However, global economic and financial developments continue to pose risks.」としている。これが全てではないかと思います。一頃の原油価格の低迷から脱出しているとはいえ、まだまだ安定しない水準、そしてシェールガス・オイル産業からは50〜60ドルの採算ラインには程遠い水準と言える。そして中国経済は、縮小下降局面の貿易収支に代表される景気低迷、ゾンビ産業の改革、不動産市況の低迷など、リスクを内包する状態。こんなことが、pose riskとしたのはと思います。ドットチャートを見ると、過半数のメンバーが年内1%以下のFF Rate見通しとなっている。しかし来年は1.50〜2.5%と楽観する見通しとなっている。このギャップを埋めるためには今年後半からは楽観的な世界的景気回復局面にならないといけないようです。基本的な方針には変化がなく、一時的停止と考えたい。見出し通り、利上げを急がない姿勢を堅持した今回のFOMCと言えます。ドル短期金利先物の動きが目立ちます。ユーロドル12月限0.88%と前日の1.015%からは0.135%の急低下となっています。下記グラフは今回の市場参加者の慌てぶりの表しています。(価格上昇は金利低下を示します。2月に99.30(0.70%)水準にまで価格上昇し、その後99.00(1.00%)まで価格下落し、その後も98.75(1.25%)の12月下旬水準にまで価格下落するする相場観が支配する環境であったと思います。)金利ディーラーも損切を急いだと言えます。0.75%(価格は99.25)の1回の利上げを織り込んだ水準にまで来るかに注目したい。金利ディーラーは、流動性の高いユーロドル金利先物でポジション構築をします。マスメディアではFF Fund futureでの金利観からFF Rate引き上げの有無を予想していますが、実際に多くの金利ディーラーが参加しているか疑問です。流動性の問題もあり、私はユーロドル金利先物を参考にしています。銀行時代実際に私は取引していて私には馴染み深い。10年米国債は1.91%と非常に大きくは利回り低下の動きになっていません。金利ディーラーの動きから為替ディーラーが動いたと解釈します。金利ディーラーと為替ディーラーはディーリングルームでは一心同体です。ドル売りが加速し、短気筋が損切に走ったように推測します。直前まではWSJ紙などは、6月利上げへの地ならし的FOMCと言い放っていました。利上げがまもなく行われるとの期待感が盛り上がっていた所での冷や水と言えます。私も同様のグループに入っていました。反省猿姿勢です。イエレン議長以下メンバーは慎重かつ冷静であったと言えます。アメリカの良識ではとの印象です。

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政府は、日本では伊勢志摩サミットまでの間に、国際金融経済分析会合を開催し、海外のノベール受賞学者などの招き、アベノミクスの検証をするようです。消費税引き上げのメリット、ディメリットについて論議されるようです。そして注目は消費税の引き上げに否定的な学者、そして海外の著名人であることです。安倍首相は来年4月の消費税10%を公約してしまっている。現在の景気環境を考えると、消費税引き上げは先延ばししても良さそうです。そこで海外の著名人の口からあからさまに消費税引き上げは景気に悪材料になると明確に言っていただければ、安倍首相としても方針変更しても正当化されると思われているのではないかと思われているのではないか。自民党としても夏の参議院選挙への悪影響を心配しており、消費税据え置きの政策転換も予想されるのではないかと思います。消費税引き上げが先延びされるのではと、兜町は上昇へと転じているのではと個人的に思います。

それでは為替相場を見ましょう。ドルインデックスは96.65水準と、FOMC後ドル安のトレンドが続いている。これが現状と認識したい。

ドル/円:レンジ相場を抜け出せそうにありません。FOMC前までは、消費税引き上げ先延ばしの兜町上昇、そしてFRBは6月利上げへの地ならしのFOMCでドル金利上昇と、ドル円上昇の雰囲気プンプンでした。それがFOMCで流れが変わったかの印象です。確かにドル短期金利は大幅に下落している。下記は日足チャートです。赤線はギャンチャートの、2014年7月18日安値起点の1x2(115.82)と1x3(110.89)です。このレンジが大きな所です。長期のチャートですから信頼性は高いのではと考えます。これが大きなレジスタンス、サポートとして機能する。ボリンジャーバンドの上下バンド幅が狭まり、並行で推移しています。昨日上昇方向に振れて、上限バンド(114.45)を上抜けすることになれば、円安方向が見えました。しかしFOMCで見事に裏切られました。そして反対に下限バンド(111.90)を伺うチャートになってしまいました。シカゴ筋が息を回復することになります。下段のストキャスティックスは下方基調。現状下値方向がどこまで行くかに注目。米金利次第と言えます。様子見を決め込みます。時間足で見ると、20本EMAは下方曲線、兜町も冴えなく、戻りが期待できない。こちらも様子見。

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ユーロ/ドル:ドル安が進むチャートになっている。こちらはシカゴ筋の損切が進む。フィボナッチ分析10月15日高値と12月3日安値の間の38.2%戻し(1.1123)を完璧に上回り、ボリンジャーバンドの上限バンド(1.1243)に沿った動きになっている。損切が支配する。その意味ではスピードは速い。2月上旬の高値水準の1.1315近辺にまで上昇するかに注目したい。5日移動平均線(1.1152)がサポート。ストキャスティックスは高値圏にとどまる動き。下値転換する気配あっただけに、失望が大きい。短期的動きを時間足で見ると、FOMCから20本EMAは上方曲線、そしてローソク足は現在揉み合いと、高値トライの動きにはなっていない。再度売り目線になるか注目。

ポンド/ドル:ポンド売りが続くのではと思われた相場が、FOMC後ドル安相場(ポンド高)に振れている。5日移動平均線(1.4267)がレジスタンスとして機能するか注目。線自体もお椀型形状となっている。明確に上抜けすると1.4380近辺をトライするかに注目したい。下方向に振れればボリンジャーバンドのミドルバンド(1.4151)がサポート。これを下抜けすると本来のポンド安相場に戻ります。

豪ドル/ドル:鉄鉱石価格は昨日は上昇。見比べるとて鉱石の価格と豪ドルは連動しているように見えます。私はCME:5月限を見ています。マスメディア報道の価格とはちょっと違いますが、大して変わりません。今日の豪雇用統計は新規雇用者数が予想より低いが、失業率が良く、豪ドル高となっている。チャート的にはドル安の影響もあり、豪ドル高の相場継続となっている。5日移動平均線(0.7525)がサポート、ボリンジャーバンドの上限バンド(0.7674)を追いかける展開となっている。デベルRBA総裁補佐が、「豪ドルが現行水準から下落することを望んでいる。しかし実現には困難な可能性がある。」として、本音では豪ドル安希望のようです。クロス円は円高、豪ドル高で85.00前後の動きになっているようだ。

NZD相場:火曜日のGDTは−2.9%と悪い。今朝のNZの第4四半期GDPはやや良い数字となり上昇。チャート的には0.68と0.66のレンジ相場の範囲内の動きとなっています。ドル安相場のNZD示現となっている。しかしRBNZ利下げ観測もあり、上値0.6800近辺では押し留まるのではないかと思います。当面ボリンジャーバンドの上限バンド(0.6809)がレジスタンス、ミドルバンド(0.6688)をサポートとして機能する。やはりNZD安方向を基本にビッグピクチャーを描きたい。

今日はBOE、SNBそしてSARBの各政策委員会がありますが、私には特に興味なしです。しいてSNBは古くからのよしみで見ることにする。そしてユーロがどのように反応するか見たい。ポンド、南アランドなどしょぼい通貨取引しても面白くもない。

Mucha suerte!

ケ・セラ・セラ



Posted at 14時40分


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プロフィール

国際金融アナリスト

水谷文雄

スイス銀行(現UBS銀行)にて20年余に亘り外国為替及び金利・債券市場部門で活躍。1980年代の為替相場大変動期の為替市場を体験する数少ない為替ディーラー。ファンダメンタルズ分析、特に欧州諸国で強みを発揮し、テクニカル分析においても定評を得る。ほぼ全部門に精通する国際金融のプロフェッショナル。
プライベートではスペインとの関わりを深く持つ文化人でもあり、スペイン情報発信センターをインターネット上で主催。スペインと日本の文化・経済交流を夢見るロマンティストでもある。

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