水谷文雄の「為替 ケ・セラ・セラ」
 

2016年12月12日(月)

ECB量的緩和強調からドイツ短期債利回り低下→ユーロ安継続!

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Hola!
Qué tal!
Muy bien, gracias!
スペインから嬉しいニュースが飛び込んできました。バレンシアの火祭り(Las Fallas)が世界無形文化遺産(Patrimonio Inmaterial de la Humanidad)に登録されました。祝賀のセレモニーでは来年の火祭りの女王Raquel Alarioが豪華な民族衣装でスピーチをしました。誇らしいのでしょう。右の写真です。スペインの三大祭の一つですが、この登録で来年からは、海外からの観光客が増えるのではと推測されます。スペンンの伝統であり、中国からのマナー違反の観光客は増えそうであり、中国からは来てほしくないですね。

先週木曜日のECBの決定では、来年3月まではこれまでの月額800億ユーロの資産購入を続け、その後4月から12月末まで、月額600億ユーロの資産購入とすることを決めました。市場のコンセンサスは800億ユーロの購入を9月末で続けるのではとありました。資産購入の縮小(テーパリング)と期間延長を同時に実施したことに意味があるようです。市場は延長期間が長かったことを重視したようです。下記のグラフはECBが資産購入をしてからの経緯を示しています。2015年3月9日から月額600億ユーロで開始しました。その後期間の延長、そして2016年4月1日からは月額800億ユーロに増やしました。最初の資産購入規模600億ユーロにまずは戻したと言えます。これは景気が改善へと向かい、そしてインフレ目標2%からは現在の水準は程遠いものの、マイナスの消費者物価指数をもう示すことはないのではと思われます。現在は11月0.6%前月比と言うことになっている。資産購入縮小の論議はしていないとドラギ総裁は説明するものの、縮小議論が来年の理事会ですることは自明の理のようです。縮小を強調することなく、反対に残存期間の下限を2年から1年に変えるとして、品薄感のある債券市場、特に独連邦債に買いが集中する債券市場です。明確に短期債2年−0.79%とECB理事会前の−0.70%からはマイナス幅を広げている。優良債券に買いは入るものの、イタリア、ポルトガルなど財政に問題を抱える国の債券利回りは上昇しており、つまり債券売りの模様であり、ユーロ圏の債券市場の人気・不人気度が鮮明になっている。イタリア10年債2.05%(ECB前1.90%)、ポルトガル10年債3.86%(3.52%)と利回り上昇が顕著となっている。資産購入縮小よりも資産購入の延長と言った緩和姿勢が継続することに重点が置かれたECB理事会であり、結果ユーロ安の相場が続くことになりました。

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シカゴ筋は先週火曜日時点で、円ショートポジション構築に励んでいたことが鮮明になりました。円ネット・ショート33,937枚(前週比33,668枚増)と大きく円ショートに傾けました。シカゴのヘッジファンドが大きく動いたと言えます。ユーロ、ポンドはそれ程大きく動いてはいない。オセアニア通貨でも大きな動きになっていない。円に集中した先々週と先週と言えます。そう言えば、欧米時間帯に大きく動いていたと感じました。これから6〜8万枚円ショートを構築して行くかは、来年のトランプ経済に因るのではと思います。Trump Bump Rallyはまだまだ期待感で動いており、続くのではと思います。反対勢力が出てこないと止まらないのではと思います。

金融市場をみましょう。リスク志向がECBの緩和姿勢が強調され、また米経済指標が良かったことで、続いている。私は金利先物ユーロドル(3ヶ月物)を重視しているのですが、来年9月限で見ると、現在1.30%であり、これは、来年2度の0.25%毎の利上げが実施され、そして3回目があるのかどうかの水準となっています。私はふと考えました。今週水曜日のFOMCで0.25%でなく、一気に0.50%に引き上げるというアイディアです。このような動きになれば、来年の利上げ速度は一時的に和らぐことになります。トランプさんが正式に大統領になる前に実行すれば、インフレ対策となります。大幅な利上げで不動産中心に駆け込みに融資を受ける投資家、個人も多いのでは、そして会社の経営者には運転資金の上昇でやりにくい面が出てきます。トランプ経済vs.金利上昇懸念の様相となります。つまりTrump vs. FRBという構図が見え隠れする。現在は金利上昇の方向に突き進んでいるように思います。ヘッジファンドもこのシナリオに乗ってしまったのではと思います。そのためのドル高相場と言えます。まだまだ5合目までには達していないのでは。シカゴ筋のポジションには目配りをしましょう。原油相場が落ち着いてきました。WTIで50ドルがサポートされている。金はやはりインフレ相場、ドル高相場には弱いと言えます。ドルインデックスは101.55水準とドル高相場を形成している。

ドル/円:現在ギャンスクエアの非常に重要な節目116を目指す動きにあるようです。シカゴ筋もポジション構築に励んでいる。5日移動平均線(114.70)をサポートに、ボリンジャーバンドの上限バンド(116.51)に導かれているようです。サポートはミドルバンド(112.88)です。ストキャスティックスは既に高値圏に位置し、警戒が必要です。

ユーロ/ドル:緑のサポートラインを1.0554に引きました。この水準は去年の11月下旬に付けていた水準です。現在はこの水準を中心に攻防が続いている。ECBの量的緩和継続、Trump Bump Rallyのドル高の相乗効果から、このサポートをいずれ下回って行くのではと思います。パリティも見えてくる。ギャンスクエアでは1.06の非常に重要な節目を下回ると次の非常に重要な節目1.01を目指す。ボリンジャーバンドの上下バンドが縮まっていることには注意したい。ストキャスティックスは下方基調継続となっている。

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ポンド/ドル:Soft Brexit期待が続いている。今週は木曜日にBOE金融政策委員会が予定されている。何もないと思いますが、注意したい。ボリンジャーバンドのミドルバンド(1.2522)がサポートとして機能するか注目したい。ドル高相場、ECBが金融緩和継続と見ると、BOEには選択肢が少ないように思える。金利引き上げか、金利引き下げかヒントを待つことになる。Brexitにより将来GDPも縮小する見通しであり、ビッグピクチャーはやはりポンド安ではないかと思います。

豪ドル/ドル:現在方向感のないチャートになっています。鉄鉱石価格が安定しており、大手鉱山企業には追い風です。RBAの利下げがもうないのではとの観測も出てきているのではと思います。チャート的にはボリンジャーバンドの上下バンド幅が狭まる形状となっています。相場の硬直観を感じます。上に跳ねて上限バンド(0.7516)ではないかと思います。クロス円は円安傾向の恩恵から86円台に上昇となっている。やはり80円以下では買あったのですね。

NZD相場:イングリッシュ新首相が就任することになりました。キー前首相の指名ですから、大きな政治的変更はないようです。RBNZの金融政策は当面変更がなさそうです。不動産価格が下落トレンドに入っているとのNZ新聞の見出しを目にしました。GDTも上昇と、利下げする理由がないと言えます。チャート的には豪ドル同様にボリンジャーバンドの上下バンドが並行に進む形状となっています。こちらも相場のこう着感を感じます。クロス円も円安の影響でNZD高が進む相場となっています。

Mucha suerte!

ケ・セラ・セラ



Posted at 18時54分


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プロフィール

国際金融アナリスト

水谷文雄

スイス銀行(現UBS銀行)にて20年余に亘り外国為替及び金利・債券市場部門で活躍。1980年代の為替相場大変動期の為替市場を体験する数少ない為替ディーラー。ファンダメンタルズ分析、特に欧州諸国で強みを発揮し、テクニカル分析においても定評を得る。ほぼ全部門に精通する国際金融のプロフェッショナル。
プライベートではスペインとの関わりを深く持つ文化人でもあり、スペイン情報発信センターをインターネット上で主催。スペインと日本の文化・経済交流を夢見るロマンティストでもある。

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