水谷文雄の「為替 ケ・セラ・セラ」
 

2017年02月09日(木)

今年も欧州はリスク山積の金融市場!

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Hola!
Qué tal!
Muy bien, gracias!
今日も先週散歩した「大宮花の丘公苑」の一コマを紹介します。紅白黄の梅が競演していると紹介しました。今夏は紅梅です。鮮やかな真紅の梅が綺麗に咲いていました。近くの公園で咲いている紅梅とは種類が違うようです。春になると小さな実をつけます。今日は久しぶりに雪の朝を迎えました。2月は例年数回の雪を経験します。私は雪が降ると車を運転しないようにしている。外はもう溶けているから今日は大丈夫のようです。いずれにしても今日は引きこもりの私です。散歩も無理かな。

今年の欧州は選挙の季節のリスクを意識しないといけないと思います。3月オランダ総選挙、4、5月フランス大統領選挙、今年前半イタリア総選挙、そして9月にはドイツ総選挙のスケジュールです。付録でスペインでは9月頃ひょっとしてカタルーニャ地方の独立の是非を問う国民投票があるかもしれません。スペイン政府は憲法違反として認めていません。現在裁判所ではカタルーニャ地方前首相マス氏が昨年の国民投票が違憲であるとして被告人席に座っている。どうなるのか心配です。今日は某証券会社向けのレポートを書き、その中で色々と登場人物を確認しました。オランダではウィルダース党首率いる極右政党「自由党」が現在リードしている。欧州の極右政党の集会で、ルペン仏国民戦線党首、ファラージ英独立党の面々と映っている金髪の紳士です。いかにも極右政党の党首と言う印象です。第一党に躍り出ても、第二党の自由民主党が連立を画策するから、首相にはなりそうもない。しかし心理的に移民排斥、反イスラム、EU離脱を標榜しているから、フランス、ドイツ等への影響は大です。そして4月5月の仏大統領選挙へ突入。ルペン氏がリードしているようです。大統領になれば、脱EUを公言している。本命のフィヨン氏、マクロン氏がスキャンダルで支持を落としており、こちらでもポピュリズムが台頭しており、どうなることやら。仏国債10年は2.15%まで上昇してしまいました。昨年の夏ごろは0.15%近い低利。それがトランプ大統領誕生、そしてルペン氏躍進で、投資家心理が冷え込み、仏国債売りの反応をしている。2012年には3%超を示現していたから、ルペン党首躍進となれば、2%超の利回り上昇があるのではと思ってしまいます。そしてイタリア総選挙。現在は政治空白模様ではと思います。こちらもイタリア第一主義の元コメディアンのグリッロ氏率いる5つ星運動が優位に立っていると言えます。日本で言えばビートたけしと言った所でしょう。こちらもポピュリズムの匂いがプンプンします。そして真打ちがドイツ総選挙。昨日の日経新聞を読むと、世論調査では、次期首相候補シュルツ欧州議会前議長がメルケル首相を上回っていると書いてある。難民の流入に寛容な政策が、庶民には理解しがたいのでしょう。昨年の選挙以来、何でもあり、そしてメディア報道では分からない庶民の声を重視した方向に行ってしまう危険性があり、どうなるか不安です。為替については、当然政治的リスクはユーロ売りにつながります。そして結果的に逃避通貨として円買いにつながります。欧州の政治リスクが思わぬ形で円高に誘導してしまう結果になるのかもしれません。またオセアニアの豪ドル、NZDにも買いにつながる動きになるのかもしれません。RBA、RBNZ共に金融緩和打ち止めの様子見態度を決め込んでいるからなおさらです。そしてドルに資金が向かうかも。これはトランプ大統領が強権を使い阻止する構えでいるのかもしれない。金利の理論が通用しない可能性も否定できません。
金融市場を眺めてみましょう。10年米債利回り2.34%と低下してきている。2.25%を下回ってきたら考えましょう。また短期金利先物ユーロドル12月限1.455%と1.50%を下回ってきている。1.25%方向に向かうと注意したい。1.25%ですと、0.25%毎年2回の利上げになり、FRBが利上げに慎重になることを示している。トランプ大統領の圧力、欧州の選挙の影響が及んでくることになります。反対に元気いっぱいの金相場。1,240ドル前後にまで上昇してきている。株価はダウ平均で20,000ドルを今日の所維持している。ドルインデックスは、100.35近辺と今週100を下回っているが、現在は回復模様。選挙モードに入っている大陸の欧州からユーロ売りの反応が強く、ドルが強いと言えます。現在の強弱感は円>ドル>ユーロの関係にあるのではと思います。ポンド、豪ドル、NZDはその間に割り込むことになります。

ドル/円:日米首脳会談とゴルフ接待を受ける安倍首相が、どんな手土産を持参するか、トランプ大統領の逆鱗に触れる地雷を踏むかに注目が集まります。上手く円安方向への説明をおこない、納得してもらえるかが注目されます。私から見ても、多くの誤解がトランプ大統領にはあります。もっと研究、勉強をトランプさんにはしてもらいたい。もし地雷を踏むことになると、どうしても円高と言うことになる。そしてどうしても欧州選挙リスクでも円高に反応する。下記は日足チャートです。トレンドは下向きのようです。ギャンラインの非常に重要な節目111を当面の下値の水準として意識したい。日米首脳会談で、円安の根拠を丁寧に説明し、トランプさんを納得させることが出来れば、今回の訪問に「優」をつけることが出来る。GPIFの米インフレ投資、トヨタの米投資、孫さんの5兆円投資など手土産が功を奏するかに注目です。地雷を踏んでしまうことになれば、急速な円高も想定される。111を分かれ目として意識したい。下段のストキャスティックスは楽観的であり、やや上方転換模様。政治相場ではテクニカル指標は役に立たないのかもしれない。ブルドーザー相場に陥るからです。

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ユーロ/ドル:フランスの総選挙の世論調査、そしてドラギECB総裁の量的緩和継続発言と、出口戦略は思いもつかないと言っているかの内容から、ユーロ売りの相場になっている。ボリンジャーバンドのミドルバンド(1.0705)がレジスタンス、そして90日移動平均線(1.0735)もレジスタンスになっている。下限バンド(1.0608)が下値目安。ストキャスティックスも下方基調と、中期ユーロ安相場を支援しているようです。私も同じバンドワゴンに乗っている。

ポンド/ドル:こう着状態のポンドと言えます。BOE委員の発言に一貫性がないことが気になります。まだ利上げに踏み切る余地は少ないと私は考えたい。Brexitに踏み切った場合のリスクは現段階では判断できない。少なくともインフレ率は上昇することはないのではと思います。その意味では中期的にはポンド安の相場観を持ちます。ボリンジャーバンドのミドルバンド(1.2462)方向が正論であるように思います。

豪ドル/ドル:RBAは中立の金融スタンスを貫きます。しかし今年のインフレ率はゆっくりと2%へと、RBAのインフレターゲットの2.00〜3.00%のレンジの下限には向かうとしています。現在は1.50%です。経済が順調に成長過程にあれば、金融政策を調整しなくても目標に近づくでしょう。鉄鉱石価格は堅調、そして中国からは極端に悪材料が出てこない。(中国共産党がコントロールしている。)チャート的には年初からの豪ドル高の調整局面にあるようです。ボリンジャーバンドのミドルバンド(0.7579)位までの調整は予想の範囲内の動きと解釈。ストキャスティックスも調整模様の下方基調と言えます。

NZD相場:ウィーラーRBNZ総裁は今年9月に退任、スペンサー副総裁は来年までは代行するという。この方も退任したいとの意向のようです。今日のRBNZ金融政策委員会では金融政策はかなりの期間緩和的であり続けるだろうとして、今後の利下げはないような内容となっている。今週のDGTも+1.3%と上昇傾向を続けている。危機回避のNZ経済と言えるのではないかと思います。そして経済成長にはNZDの下落が必要と謳っている。この文言に反応して年初からのNZD高相場の調整局面に入っている。ボリンジャーバンドのミドルバンド(0.7241)を現在は下回っており、90日移動平均線(0.7130)と下限バンド(0.7107)方向にあります。ストキャスティックスは下方基調の半ば。山が高いと下るのも早いという相場の経験則の中にあるようです。どこで止まるか注視。

Mucha suerte!

ケ・セラ・セラ



Posted at 16時34分


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プロフィール

国際金融アナリスト

水谷文雄

スイス銀行(現UBS銀行)にて20年余に亘り外国為替及び金利・債券市場部門で活躍。1980年代の為替相場大変動期の為替市場を体験する数少ない為替ディーラー。ファンダメンタルズ分析、特に欧州諸国で強みを発揮し、テクニカル分析においても定評を得る。ほぼ全部門に精通する国際金融のプロフェッショナル。
プライベートではスペインとの関わりを深く持つ文化人でもあり、スペイン情報発信センターをインターネット上で主催。スペインと日本の文化・経済交流を夢見るロマンティストでもある。

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