水谷文雄の「為替 ケ・セラ・セラ」
 

2017年03月06日(月)

今度は“appropriate”と!

画像(134x180)・拡大画像(712x950)

次第に春らしくなってきました。週末は人形で有名な岩槻の愛宕神社に行ってきました。ご覧の写真の通り、見事な雛人形が30段ほどの階段に飾ってありました。桃の節句の時期に週末だけ飾ってあります。来週末も飾ってあると聞きました。多くの人、そして女の子連れの老若男女が訪れていました。甘酒が無料で振る舞われていました。私は車でしたから、残念ながらご遠慮と。それにしても見事ですね。

Fairly soonに続く、今度はappropriateとイエレン議長はこれでもかと3月15日利上げを鼓舞しています。前後の内容を読み解くと、「失業率とインフレ率がFOMCの予想通りに進んでいる。この場合には、FF Rateの更なる調整が適切であると思われる。A further adjustment of the Federal-funds rate would likely be appropriate.」と言う内容です。市場参加者は少々食傷気味なようです。FRBの三羽烏であるダドリーNY連銀総裁、フィッシャーFRB副議長も3月利上げに前向きであり、本当に3月利上げは織り込み済みです。問題はそれでは次回の利上げはいつになるかと言うことに論点が移ってくるのではと思います。現在それは短期金利先物では織り込んではいません。昨年12月、そして今年3月利上げで、6月利上げが浮上してきます。しかし3月オランダリスク、4月、5月はフランスリスクに見舞われます。6月飛ばして9月まで先延ばしの可能性が強いのでは。そしてトランプ政権への配慮と。現在では3回利上げが予想される。それはFRBのシナリオ通りではないかと思います。2〜3年内にはFF Rateを4%前後にまで引き上げると目論んでいる。参考までに当ブログ2月2日付のグラフを見ていただきたい。1980年代からのFF Rateの推移を示している。2000年代からは低金利政策に移っているが、4%が中間水準のFF Rateであると言えます。若い方には理解されないと古手には思われます。イエレン議長も古手に入る年代です。そしてフィッシャー副議長も。市場は利上げには食傷気味であり、為替、株、債券市場は共に利食い売りの局面に入ったかの動きとなっています。今週はどのようになるか、それは神のみぞ知る心境です。調整局面を週前半に終了し、米雇用統計の思惑から、もう一度エンジン点火し、来週の15日を迎えるのではとメインシナリオを描きます。そしてその後は次回利上げがいつになるかの詮索が働くことになります。15日以降は調整局面が続くのではと想い描きます。高値掴みは避けたい。そして利食いを急ぎましょう。

世界の動向を見ると、ルペンリスクが後退しているようです。マクロン候補が第二回投票で優位にあるということで、極右候補の大統領選出とはならないとの現在の世論調査です。尤も世論調査には、Brexit、トランプ大統領と裏切続けられていることから信用はしない方が良いのではと思います。世の中の意見(庶民)が反映されているかどうか、難しいですね。五分五分の世論調査に向うと尚更ではないかと思います。10年仏国債0.95%と落ち着いている。米金利では私が注目している短期金利先物ユーロドル(3ヶ月物)12月限1.615%と1.50%を越えてからのスピードには勢いを感じられない。3月利上げは完全に織り込まれており、その先はまだまだ未定ではと思わせます。金相場は1,225ドル水準と魅力のない水準となっている。リスク回避志向でないと輝きを失っている。ドルインデックスは101.40水準と依然としてドル高トレンドの過程にあるようです。

ドル/円:イエレン議長はじめFRB高官は利上げに積極発言を連発しています。トランプ政権の反発を恐れているのか、市場関係者は素直に反応しなくなってきています。チャート的に見ると、ボリンジャーバンドの上限バンド(114.66)がレジスタンスになってきている。ムニューチン財務長官が今後どのような発言をするか、それとも本丸トランプ大統領の利上げに対する発言を警戒しているのではと推測します。ミドルバンドは113.15であり、この水準まで下げるのか注目したい。ストキャスティックスは高値圏から下方転換気配であり、この先下げることも予想される。今週前半は調整局面なのかもしれない。

ユーロ/ドル:ルペンリスクの交代、ウィルダースリスクは不透明。今週木曜日のECB定例理事会で、資産購入縮小の話が議題に上るか注目したい。ユーロ圏1月消費者物価指数1.8%前年比とECBインフレ目標の2%に近づいてきている。従来通りドイツ等北欧州とスペインは利上げしたい所の意見は出るのでしょう。チャート的に見ると、私の引いた平行線のトレンドラインの上のラインを見事に抜けてしまっている。現在はボリンジャーバンドのミドルバンド(1.0610)まで到達し、大きなトレンドを見極める90日移動平均線(1.0652)までつけるのか注目です。ストキャスティックスは上方基調であり、短期的にはもう少しユーロ高の相場が続くのではないかとファンダメンタルズから思っています。しかし私は依然としてユーロ安のビッグピクチャーを描いています。仮に上限バンド(1.0705)までつけ、ローソク足で上ヒゲが長くなる形状を確認することになれば、ユーロ売り仕掛けで良いと思って対応したい。

ポンド/ドル:スコットランド住民投票懸念からポンド安相場が続いているようです。こちらは5日移動平均線(1.2305)をレジスタンスにボリンジャーバンドの下限バンド(1.2276)方向に進んでいるようです。しかしローソク足が大きく下限バンドを下抜けし、下ヒゲが伸びる形状を見ると、そろそろポンド安相場が短期的には終了するのではと思わせます。しかし中期的にはポンド安相場が、Brexitリスクから続くのではないかと思います。

豪ドル/ドル:調整局面入りの豪ドルチャートと言えます。ドル高相場と中国経済巡行速度からの豪経済好調、そしてRBA現状維持の金融政策から豪ドル高の綱引き状態ではと思います。どちらの要素が強く働くかと言えます。シカゴ筋は先週火曜日時点で豪ドル・ネット・ロング51,915枚とロングポジションを積み上げている。利食い売りに走ると豪ドル安調整を強めます。現在はほぼコスト状態にあります。そこでフィボナッチ分析を12月中旬安値と2月下旬の高値の間で引きました。緑の3本の線はその指標です。当面は一番上にある38.2%戻し(0.7507)に注目します。ポジションがほとんどない状況にあれば、ここで止まります。FRB利上げ観測からドル高相場が続けば、豪ドル買いを控え、2番目の線の50%戻し(0.7440)水準まで下げるのかもしれません。落ちるナイフを拾うのは危険です。また明確に上昇トレンドを示すまで待つのか得策です。下段のストキャスティックスは下値圏にとどまる形状です。もう少し動きが明確になるまで待ちたい。

画像(500x196)・拡大画像(950x373)

NZD相場:こちらも調整局面のようです。豪ドル同様のチャートになっている。こちらは12月中旬安値と2月上旬高値の間でフィボナッチ分析すると、50%戻し(0.7103)を既に大きく下げ、61.8%戻し(0.7050)も下回っている。そうなると安値水準にまで下げる可能性は否定できません。ドル高相場の強い影響であるのでしょう。RBNZもRBA同様に中立的金融政策を続ける。ドル高相場がメインテーマであれば、NZD安相場が続く。しかしどこまで続くか。注意して見守りたい。こちらも落ちるナイフを拾うのは危険と言えます。

Mucha suerte!

ケ・セラ・セラ



Posted at 13時22分


ページのトップへ ページのトップへ

Sponsor AD

プロフィール

国際金融アナリスト

水谷文雄

スイス銀行(現UBS銀行)にて20年余に亘り外国為替及び金利・債券市場部門で活躍。1980年代の為替相場大変動期の為替市場を体験する数少ない為替ディーラー。ファンダメンタルズ分析、特に欧州諸国で強みを発揮し、テクニカル分析においても定評を得る。ほぼ全部門に精通する国際金融のプロフェッショナル。
プライベートではスペインとの関わりを深く持つ文化人でもあり、スペイン情報発信センターをインターネット上で主催。スペインと日本の文化・経済交流を夢見るロマンティストでもある。

最近の記事

スポンサードリンク

2017/3

      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

検索


当サイトコメントについて

当コメントは情報提供のみを目的として作成されたものであり、投資に関してはご自身でご判断くださいますようお願い致します。また、当資料は著作物であり著作権法により保護されております。無断で全文または一部を転載することはできません。

RSS1.0

[Login]


powered by a-blog
Copyright © 2012 PhiConcept,inc All rights reserved.