水谷文雄の「為替 ケ・セラ・セラ」
 

2017年04月20日(木)

往きはよいよい、帰りは恐いメイ首相!

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Hola!
Qué tal!
Muy bien, gracias!
今日は本当に気持ちの良い日ですね。晴天、そして湿度が低いと好条件となっています。私は今日は数稿書かないといけないので、散歩は午後遅くとなります。残念です。窓からは富士山を久しぶりに拝むことが出来ました。今日も「花の丘公苑」で見た桜です。枝垂れ桜のようです。お楽しみください。

メイ首相が総選挙に打って出ました。総選挙は予定では3年後でしたが、前倒しして6月8日となったようです。Hard Brexitを目論み、保守党の体制固めをしたい所です。野党の労働党とは21ポイントの世論調査の結果が後押ししているようです。保守党ではどうしてもキャメロン前首相のイメージが強く、Brexitに反対とのイメージが強い。そうしたイメージを払拭し、強い英国、そしてEUとの交渉で前面に英国ファーストの自国の利益を優先した交渉事を進めたいという思惑のようです。運よく過半数の議席を獲得できると英国代表としてメイ首相が前面に最前線に進むことが出来ます。しかし英独立党、スコットランド民族党など抵抗勢力も強気で攻めてくる。ポンド相場を見ると、選挙戦まではポンド高、そしてその後ポンド安の相場展開を思い描きます。シカゴ筋も私の意見に同調するかの動きとなっており、先週火曜日時点でポンド・ネット・ショート105,901枚とパンパンに積み上げてきたショートポジションの損切に踏み切ったようです。このため、300ポイント以上のポンド高となってしまいました。ひとまず退散、そして選挙後、再度ポンドショートを積み上げてくるのではと推測します。センチメントで選挙戦は動く。保守党優先、メイ首相のEUとの交渉を強気で進めるとの演説内容で、ポンド高。しかし、選挙の結果、保守党が勝っても、EUとの交渉は難航しそうです。トゥスクEU大統領、メルケル首相、そして誰になるか分からない新仏大統領などが待ち構えている。そう上手く英国の思惑通りに進まない。EUとしてもユーロ圏優先の政策を貫き通すのではと思います。単一パスポートを許すはずがありません。ロンドンの金融機関はルクセンブルグなどにスタッフを移動させる動きをし始めている。金利の動きに注目する私としては、BOEの動きを監視します。BOEは経済が好転に向かってもBrexitリスクを無視することは出来ません。利上げとか、資産購入プログラムの縮小は現状では脳裏にないのではと思います。その意味でも、6月8日の選挙戦後に急速にポンド安に振れて行くのではないかと思い描きます。その意味で「往きはよいよい、帰りは恐いメイ首相」と命名しました。そして最悪の事態は、保守党敗退です。Brexitを解消したい労働党としては、これは国際的に許されない。スコットランド民族党はそれ見たことかとロンドン政府に圧力を加えてきます。EUに戻りたくとも戻れない状況となってしまいます。もうこうなれば米国に頼み込むしかないように思います。それともロシアとタッグを組むか。面白いポンド相場が予想される。大けがをしない程度にポンドで遊びましょう。いずれにしてもポンド相場は門外漢の私です。余計なことは話すなとポンドの専門家から苦言を呈される私かもしれません。

金融市場を見ると、ムニューシン米財務長官が、「トランプ大統領はドルの押し下げを狙うことは絶対にない。」とFTで発言している。オオボスのドル安発言を打ち消すことを狙っている。このため、ドル金利が若干上昇。10年米債2.21%まで戻ってきているが、私の注目する水準2.25%には戻っていません。短期金利先物12月限1.415%と、年内2回の利上げ水準1.50%からは下回ってきている。今後外部要因から利上げは年内1回に留まるとの観測記事が出てくると下げ幅を拡大しそうです。しかしベージュブックでは米経済は健全に成長しており、利上げが正当化されるという内容となっている。そして原油相場が下げているようです。原油在庫が積み上がり、そしてサウジアラビアがOPECで公約していた減産維持姿勢を撤回するのではとの観測があるようだ。どこまで真偽の程は分からない。言い訳でしょう。最後にドルインデックスは99.80水準と、100の心理的節目には到達していない。ポンド高、ユーロ高がドルを押し下げている面もあるようです。100を金利上昇と共に上回ってゆくと、ドル高のシナリオを描くことが出来るのですが???

ドル/円:先週載せましたフィボナッチ分析を参考にしたい。11月3日安値と12月15日高値の38.2%戻し108.80水準に現在は位置して、そこから抜け出し切れていません。北の将軍様へのリスク、週末の仏大統領選挙リスク、ルペンおばさんが躍進するとリスク回避の円高も想定される。38.2%水準を下に明確に抜けると、ギャンスクエアの非常に重要な節目106が意識される。逆に北の将軍様への中国の説得努力が功を奏すると、50%戻しの110.60水準に戻る動きも見られるでしょう。その場合にはドル金利上昇の動きを伴うことが必要です。その前にボリンジャーバンドのミドルバンド(110.69)を回復する必要があります。ストキャスティックスは依然と低位水準。

ユーロ/ドル:ポンド高連動相場の影響でしょうか。大きなユーロ高の要因は見られない。金利の動きにも変化がない。むしろドル金利低下のドル安の影響の方が大きい。ボリンジャーバンドのミドルバンド(1.0695)を上回っていますが、短期間で終了する可能性が大きいのではと思います。5日移動平均線(1.0660)が当面監視水準となります。ストキャスティックスは高値圏から下方転換模様となっています。

ポンド/ドル:メイショックからポンド高相場になっています。総選挙まではポンドは大きくは下がらないのではと(上値トライか?)、その後、急落するシナリオを描きます。下記は昨年6月のBrexit決定時を含めた1年間のチャートです。一昨日の総選挙前倒し発言から、昨年11月からのレジスタンス水準(1.2780緑線)に位置している。シカゴ筋の損切り実施がまだ足りないと更に上昇する可能性があると言えます。その場合には、Brexit後にサポートとして認識され、現在ではレジスタンスとなる1.3360(緑線)と言えます。ここまでの上昇があるかを監視することになります。尚、左丸部分は昨年6月のBrexit決定時のポンド急落時です。

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豪ドル/ドル:中国の経済統計が良かったことで一時的に上昇の動きも、原油安、そして鉄鉱石価格下落など資源価格下落で豪ドル安の展開となっています。ボリンジャーバンドのミドルバンド(0.7581)をレジスタンスに、下限バンド(0.7468)が下値目安と言えます。中立姿勢のRBAが今後どのような姿勢に転ずるかが、金利重視の私としては注目したい。ストキャスティックスも可能基調。当面下値トライする動きか。ドル高相場になると、更にその動きが加速します。

NZD相場:今朝発表のNZ第1四半期消費者物価指数1.0%前期比、2.2%前年比と共に良い数字となっています。一昨日発表のGDTも+3.0%と良い数字。チャート的には乳製品価格は回復基調にあると言えます。ボリンジャーバンドのミドルバンド(0.7000)がサポートになり、上限バンド(0.7067)を上抜けするかに注目。そうなると中期的トレンドの指標90日移動平均線(0.7072)を上回るかに注目することになります。

Mucha suerte!

ケ・セラ・セラ



Posted at 11時38分


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プロフィール

国際金融アナリスト

水谷文雄

スイス銀行(現UBS銀行)にて20年余に亘り外国為替及び金利・債券市場部門で活躍。1980年代の為替相場大変動期の為替市場を体験する数少ない為替ディーラー。ファンダメンタルズ分析、特に欧州諸国で強みを発揮し、テクニカル分析においても定評を得る。ほぼ全部門に精通する国際金融のプロフェッショナル。
プライベートではスペインとの関わりを深く持つ文化人でもあり、スペイン情報発信センターをインターネット上で主催。スペインと日本の文化・経済交流を夢見るロマンティストでもある。

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