村田雅志の「グローバル投資のポイント」
 

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2007年02月20日(火)

注意が求められる中国のインフレ動向

▼今日のクイズ(答えは文末に記載)
預金準備率とは何?

2月14日に発表された中国の1月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比2.2%上昇と、12月の同2.8%上昇から伸び率が鈍化し、エコノミストらによる事前予想(2.5%の上昇)をも下回る結果となりました。CPI全体の約3割を占める食品価格が5

.0%上昇したものの、食品を除く財・サービスの伸びが非常に低く、CPI全体の伸び率が抑えられました。

中国の中央銀行である中国人民銀行は、1月のCPIの結果から、中国の物価の先行きに自信を示しています。中国人民銀行は、穀物価格を中心とした食品価格の上昇は一時的なものであり、中国のインフレ懸念は杞憂にすぎないとコメントしています。

ところが、中国人民銀行は、インフレに対して自信あるコメントを出す一方で、インフレ防止を目的としたと思われる金融引き締め策を淡々と実施しています。

2月16日、中国人民銀行は、預金準備率を2月25日から0.5%引き上げると発表しました。預金準備率は、今年1月15日に引き上げられており、今年で早くも2回目となります。預金準備率は、銀行など金融機関が中央銀行に預け入れを義務付けられている預金の預金残高全体に対する比率を意味します。

中国人民銀行は、中国の金融政策の方向性を示す金融政策執行報告にて、為替変動のさらなる弾力化を図ると明言しました。新華社電は「さらなる弾力化」の意味として、人民元レートの変動幅をさらに拡大することだと伝えています。(現在の人民元レートの変動幅は、対米ドルで1日あたり上下0.3%以内)人民元レートの変動幅を大きくすることは、中国人民銀行による為替市場への介入を控えることを意味します。

預金準備率の引き上げ、為替市場への介入の抑制は、ともに人民元の流通量を抑制する効果があります。預金準備率が引き上げられれば、金融機関が融資できる資金量が少なくなるため、最終的には融資金額の伸びが抑えられます。中国の場合、預金準備率が0.5%引き上げられることで、1千5億元の資金を市中から吸い上げる効果があるといわれています。中国の為替介入は、人民元の上昇を防ぐことを目的とするため、外貨買い&人民元売り、の実施を意味します。為替介入が控えられれば、それだけ人民元売りも抑制されるため、結果として中国国内に流通する人民元の規模も小さくなります。

一般に、中央銀行が通貨の流通量を抑制する目的は、物価の上昇つまりインフレを防ぐ点にあります。中国人民銀行がコメントしているように、仮に中国当局者が「インフレ懸念は杞憂にすぎない」と本気で思っているのであれば、中国人民銀行は、預金準備率の引き上げといった金融引き締め策を実施する必要がないように思えます。中国の株式市場が「バブル」と揶揄されるほどの上昇を示していることも踏まえると、中国のインフレ懸念は「杞憂にすぎない」わけではない気がします。

▼クイズの答え
金融機関が中央銀行に預け入れを義務付けられている預金の預金残高全体に対する比率

Posted at 14時49分


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プロフィール

株式会社GCIキャピタル

チーフエコノミスト

村田雅志

三和総合研究所、三和銀行にて産業機械アナリスト、UFJ総合研究所にてエコノミストとして活動後、2004年にGCIアセットマネジメント入社。05年9月より現職。東京工業大学にて工学修士、コロンビア大学にて国際関係学修士を取得。

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