村田雅志の「グローバル投資のポイント」
 

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2007年11月14日(水)

ルール157と呼ばれる米国の新しい会計基準はいつから適用される?


▼今日のクイズ(答えは文末に記載)
ルール157と呼ばれる米国の新しい会計基準はいつから適用される?

日本ではあまり知られていないことですが、明日(11月15日)より米国では新しい会計基準(新基準)が導入されます。新基準は、「FAS157」もしくは「ルール157」と呼ばれています。

新基準の特徴は、サブプライムローン債権などを担保にしたCDO(債務担保証券)など、金融機関の間でほとんど取引のない金融商品についても実質的な価値(フェアバリュー)を計算し、開示義務を定めている点です。

米国の上場企業では、保有する金融資産をレベル1から3までに分類します。レベル1は、株式や債券など市場取引が活発な金融資産です。

市場での取引が活発なので、レベル1の価値評価は市場で付けられた価格をもとに算定できます。レベル2は、金利スワップなど取引量は多くありませんが、価格は比較的計算し易い金融資産です。レベル2の価値は、あらかじめ決められた標準的なモデルに市場データを当てはめることで算定されます。そしてレベル3は、自社データのように外部からは確認することができないデータに基づいて価格付けがされる金融資産です。たとえばCDOの価格は、各金融機関が格付けデータをもとに価格を算定します。

先に述べたように、新基準では、フェアバリューを計算することを上場企業に求めており、レベル3の価格付けにおいても、自社データなど外部から確認できない情報を使わず、できるだけ市場データなど外部からでも確認できるデータを使うことを求めています。このため、新基準適用後、レベル3の価格付けが、大きく変わる可能性が出てくることになります。

10月以降、米国の大手金融機関の多くが、サブプライムローン問題で多額の損失を計上しています。これは米大手金融機関の多くが、新基準を前倒しで適用し、レベル3の金融商品に該当するサブプライムローン債権を含む金融商品の評価替えをしたためともいわれています。

ただ新基準の適用は、11月15日からですので、現時点で、まだ新基準を適用していない米国の金融機関も存在します。よって、新基準を適用していない米金融機関において新基準が適用されれば、すでに新基準を適用した金融機関のように、サブプライム関連商品などのレベル3の金融商品で多額の損失を出す可能性もあります。

個人的には、サブプライムローンによる損失は、米国のサブプライムローン市場の規模から考えると、米国の大手金融機関を破綻に導くほどのインパクトを持つものとは思っていません。しかし市場関係者の多くがサブプライムローンによる損失に(必要以上ともいえるほどの)恐れを抱いているのは、新基準の適用で、今後も大手金融機関の中から、予想外の損失が今後も発生する可能性を意識しているためなのかもしれません。

▼クイズの答え
2007年11月15日

Posted at 19時40分

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プロフィール

株式会社GCIキャピタル

チーフエコノミスト

村田雅志

三和総合研究所、三和銀行にて産業機械アナリスト、UFJ総合研究所にてエコノミストとして活動後、2004年にGCIアセットマネジメント入社。05年9月より現職。東京工業大学にて工学修士、コロンビア大学にて国際関係学修士を取得。

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