2007年05月08日(火)
海外株投信とともに拡大する個人投資家の円高リスク
▼今日のクイズ(答えは文末に記載)
海外株のリターンを構成する3つの要素とは?
調査会社のQUICK・QBRの調べによると、日本株を対象にした投資信託(投信)の4月末の資産残高は、9兆9805億円となり、昨年5月以来の10兆円割れとなりました。一方、海外株を対象とした投信の資産残高は、10兆5479億円と初めて10兆円台となり、日本株投信の残高を超えています。
日本株投信の残高が減少した理由として、投資家の利益確定が指摘されています。日本株投信の資金流出額は、1月から4月の累計で5377億円に達しています。今年2月までの株高で投資家の多くが、利益が出ている投信を解約する動きを強めたためです。
海外株投信では、中国やインドといったBRICsや、ポストBRICsとして注目を集めるVISTA(ベトナム(Vietnam)、インドネシア(Indonesia)、南アフリカ(South Africa)共和国、トルコ(Turkey)、アルゼンチン(Argentina)の英語の頭文字をつなげた造語)の株式に投資をするタイプに人気が集まっています。この結果、海外株投信には1月から4月の累計で2兆5千億円以上の資金が集まっています。
海外株投信の人気が高まっている理由は、日本株に比べ値上がり期待が高いほか、配当利回りが日本株に比べ高い点にあります。最近の日本株の上昇ペースは、一昨年の株ブーム時に比べると、大きく鈍っていますので、投資家が、より高いリターンを求めて日本株投信を見切り、海外株投信に目を向けるのは一見合理的のように思えます。
ただ、海外株投信に興味を示す投資家は、高利回りだけでなく、為替変動というリスクにも目を向けている必要があると思われます。
投資信託に限らず、海外株のリターンは、株価、配当金、為替変動の3つの要素で構成されます。海外株は、日本株と同様に、株価や配当金が増加すれば、投資リターンも増加します。
注意しなければいけないのは、海外株の場合、日本円ではなく現地通貨や米ドル・ユーロといった基軸通貨で投資される点です。外貨建てで株価や配当金が増加したとしても、円高が進展すると、円建ての利益が小さくなったり、場合によっては、外貨建ての利益は、円建てでは損失となることもありえます。
ユーロ円が1ユーロ=163円台、豪ドル円が1豪ドル=99円台となるなど、現在の円レートは、歴史的にみても円安水準で推移しています。もちろん今後も円安が進展し、海外株投信のリターンが期待以上に拡大する可能性はあるでしょう。しかし、ここまで円安が進んでいることを考えると、さらに円安が進むよりも、行き過ぎた円安が修正される可能性も、それなりに大きい気がします。円高進展で海外株投信のリターンが、円建てで目減りするリスクも、それなりにあることを頭の片隅に入れておく必要があるように思えます。
▼クイズの答え
株価、配当金、為替変動
Posted at 12時37分





