マーフィーの「日々是好日」
 

2011年03月12日(土)

東日本巨大地震を受けてのドル円相場 [相場分析]

まずは、東日本巨大地震にてお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りすると共に、被災された方々のご無事をお祈りします。また、くれぐれも、今後の地震情報にはお気をつけ下さい。

今回の地震の規模は、マグニチュード8.8と、正式の記録が残っている過去の日本史上最大規模であったそうです。地震のエネルギーは、あの阪神大震災の約178倍に達し(千倍との観測もあります)、1854年の安政の大地震の規模をも上回ったとのこと、巨大地震の恐ろしさをまざまざと見せつけられました。

それにしても、被災地の映像が流される度に、心が深く痛みます。そして、諸行無常を感じざるを得ません。昨日まで、普通ののどかであった地方の町が一瞬にして瓦礫に化したのですから・・。いつもは「当たり前」だと思っていたことが、突然、そうでなくなり、「当たり前」、「普通」であることへの感謝の念が湧き起こった次第です。

また、ごく些細なことではありますが、私自身、ネット回線が深夜になるまで繋がらず、携帯電話等も掛かりにくい状態が延々と続きました。回線の具合は、地域による格差もあるのでしょうが、ITに頼り過ぎている自分の現状を再認識させられました。今後のことを考え、予備の回線を引いておく必要があるのかなと痛感した次第です。

尚、マーケットですが、地震発生直後は、円安に振れましたが、その後は、円高が進みました。大地震を受けて、日本が海外に持っている資産を還流させるとの思惑から、対全通貨で円高となった格好です。確かに、阪神大震災が起こった1995年1月から3ヶ月後の4月に1ドル=79.85円と、対ドルでの円市場最高値を付けたことは記憶にあります。

米著名投資家のデニス・ガートマン氏は、日本で起きた大規模な地震により今後数週間に海外から還流する円資金の額は「膨大」なものになると指摘し、円は数日から数週間以内に1ドル=75円へ上昇する可能性があるとの見方を示したようです。(ロイター電)

しかし、考えてみると、保険会社が巨額の外貨資産を円転する可能性があると言っても、該当する損害保険会社の場合は、主に国内資産での運用が多いと言われ、海外、特に米国債を大量に購入している生命保険会社はあまり影響ないとも想定されます。もっとも、海外時間でのCFDの値動きを見ると、日本株は大幅に軟化しており、リスク資産圧縮という連想から円買い外貨売りのオペレーションが活発化するという思惑がマーケットセンチメントに影響を与える可能性は十分にあります。

まさに、リスクアセット量を抑える動きから、海外資産を減らす、つまりは外貨売りの円買いという連想につながったわけです。ただ、それでも、ドル円相場に関して言うと、地震を受けてドル軟化したとは言え、この最近のレンジを抜けるほどの円高には至っていません。現レベルから下方向のドルサポート水準は、3月2日の81.57円、2月4日の81.10円、12月31日の80.95円、昨年11月9日の80.54円、11月1日の80.32円と続きます。その下は大台の80円であり、史上最安値の79.75円(1995年4月19日)となります。

日足スーパーボリンジャーを見ると、マイナス2シグマライン水準が、直近では、81円台前半に位置しています。現段階では、ドル円相場はレンジ相場と読めるだけに、プラス2シグマラインを上限、マイナス2シグマラインと下限とした推移であると判断することは出来ます。加えて、週足スーパーボリンジャーで見ると、過去10週間の間、ドル円相場は、プラス1シグマラインとマイナス1シグマラインの間での推移となっている点も注目です。そして、直近では、マイナス1シグマラインは81円ミドル近辺に位置しています。従って、やはり、81円台ミドル近辺というのは、「引っかかる水準」と言えそうです。

さらに、週足スーパーボリンジャーを見ると、直近では、ローソク足に絡む位置にあります。従って、まさに、上昇か下落かの分岐点に位置していると判断出来ます。つまりは、ブル・ベアの分岐点に位置しているわけです。週足スーパーボリンジャーの遅行スパンと同一時間に位置するローソク足は、来週(14−18日)は陰線ですが、再来週(21−25日)には陽線となり、その後は、約1カ月感程度上昇に転じる点は注目です。つまりは、遅行スパンがローソク足に沿って推移する場合は、ドル円相場は底値圏に位置していると読める一方で、ローソク足を下放れる場合は、大幅は円高に振れる可能性があると判断されるわけです。

上記で見た通り、価格水準として、81円半ば以下は断続的にサポート水準が見られることや遅行スパンの位置を勘案すると、ドル下落の最終局面に近いとの読みが出来そうです。それだけに、下方ブレイクする場合は、ドル下落必至となるかもしれず、注意しておくに越したことはありません。

さらに、時間分析を少しご紹介しておくと、週末安値81.65円を付けた3月11日は、安値81.10円を付けた2月4日から26日目でした。この26日という日数は、基本数値である「26」に当っており、重要な日柄であることが分かります。加えて、安値80.95円を付けた昨年末12月31日から先ほどの2月4日まで要した時間が26日であったことから、26日の安値(ボトム)・安値(ボトム)サイクルとなっていることが分かり、「対等時間」が生じていると判断出来ます。以上から、ドル円相場は、時間の節目とも言うべき日柄である3月11日に押しの安値を付けた可能性もあると読める点、頭に入れておきたい場面です。

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Posted at 21時45分


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プロフィール

マーフィ

インテリジェンス・テクノロジーズ代表

柾木利彦

1980年、大阪外国語大学(現・大阪大学外国語学部)を卒業後、三和銀行(現三菱東京UFJ銀行)に入行。
ニューヨーク支店、東京本部の ドル円チーフディーラーを経て、1992年米銀大手の『シティバンク』や欧州系大手の『オランダ銀行』東京支店などで外国為替部長として外銀最大級のトレーディングチームを率いて活躍、現在に到る。その間、「東京市場委員会」での副議長や「東京フォレックスクラブ」委員などを歴任。卓越した市場関連知識でもって、テレビ、ラジオ、新聞などで数多くの情報発信を行い、東京外国為替市場の発展に貢献。自身、過去24年に及ぶトレード経験に基づき、独自のチャート分析 (「スパンモデル」「スーパーボリンジャー」等)を確立。
個人投資家に向けて最強の投資法を伝授することをライフワークとして、現在も精力的に取り組んでいる。

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