マーフィーの「日々是好日」
 

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2016年12月31日(土)

トレードにまつわる人間の感情について [相場学]

今年最後の投稿となります。

前回、相場は均衡が崩れた方向に動きやすいとご説明しましたが、マーケットの動きとは、そもそも、「人間の不合理な行動」が原因、推進力となって引き起こされていくと考えられます。

「人間の不合理な行動」と言っても、私達が、心の底から湧きあげてくる喜怒哀楽に沿って行動することでもあり、人間らしくもあるわけです。ただ、相場の世界では、この「人間らしさ」が往々にして一見不可解とも言える動きを引き起こしているわけです。

ですから、素直に自らの人間味溢れる行動パターンを認識することも、マーケットの動きを理解する上で大切となってくるわけです。

例えば、トレードに限るものとして、代表的な人間の感情には、以下のようなものが挙げられます。

1)希望=持ったポジションに利益が出ることを望むこと
2)恐怖=損失をこれ以上出せないと恐れること
3)貪欲=もっと稼ごうとポジションを拡大すること
4)迷い=どうポジションを操作したら良いか分からないこと
5)絶望=自分のトレードルールが間違っていると悲観すること

これらの感情が、相場の展開と共に、互いに絡み合いながら、織りなしていき、相場の変化を引き起こしていくわけです。

よく、短期で見たマーケットの動きは「市場参加者のポジションの切り崩し合い」とも言われますが、確かに、強いプレーヤー(Strong hand)と弱いプレーヤー(Weak hand)が混合している中で、それぞれの市場参加者の力量に応じて、ポジション造成、ポジション調整、ポジション手仕舞いが行われていく過程が目の前の相場の動きと言えます。

と言うわけで、マーケットがいわば「心理戦」と言われるのも理解出来ます。その為、マーケットを動かしているこれらの生身の人間の行動の背景(先ほど挙げた人間の感情の種類)を意識しておくだけでも、マーケットが違って見えてくると思います。

そして、マーケットの動きを視覚的に教えてくれるものが「チャート」ということです。つまりは、「チャート」抜きでは、実際のマーケットの動きを把握することは不可能に近いと考えられます。私が「ファンダメンタルズ(不安だメンタルズ)」に基づく分析ではなく、チャートによる分析を重視している理由でもあります。

本年もご愛読して頂きまして、ありがとうございました。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。2017年が素晴らしい1年になることをお祈りしております。

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2016年12月28日(水)

遅行スパンは均衡の崩れた方向を教えてくれる [相場学]

よく、レンジ相場や保ち合い相場ではあまり手を出さない方が良い、トレンドが生まれてから流れに乗るのが良いと言われますが、その根底にある考え方は、相場とは均衡状態では動意が薄く、均衡が崩れると動意が高まるということです。

言い換えると、相場が均衡状態の時、マーケットの中で売り買いしている市場参加者のコストは大差なく、似たようなものであり、少々の動きがあっても、レンジに収まっている限りは、市場参加者は平静であるということです。

一方、ひとたび、相場が均衡状態から崩れ、上昇か下降か、決まった方向に動き出す場合、評価損を抱えた市場参加者がロスカットに走ることや、新たに生まれたトレンドの流れに乗ろうとする参加者が増えることで、その方向に相場が動きやすくなります。

そして、相場の特性として「加速度」なるものが生じ、買いが買いを生む、売りが売りを生むという展開に変化していき、やがて、トレンドが生まれるわけです。このような状況になると、普段、レンジ相場の中で小動きに慣れていた市場参加者の多くが恐怖感を覚えるようになります。相場とは、この人間の恐怖感の集合体としての動きとも言えます。そして、買い方、売り方、どちらが優勢かが常に意識されます。

相場の動きを理解するには、そもそもの相場の本質を理解しておくことが大事です。相場とは、膠着相場、レンジ相場、保ち合い相場の局面では、市場参加者はあまり行動を起こしません。しかし、ある方向に動き始めると、次第に市場参加者内に動揺が生まれてきます。

さらに、損失を被るという恐怖、トレンドに乗り遅れるという恐怖、収益を実現し損ねるという恐怖等々が積もり積もって、目の前の相場の動きに影響を与えます。そして、ひとたび、均衡が崩れた時に、相場は一気に動き出すわけです。

と言うわけで、常に、今現在の相場が、買い方が優勢か、売り方が優勢かを見定めておく必要があります。その為のもっともシンプルな道具が「遅行スパン」です。私が「遅行スパン」を最重要視している背景は、上記のことだという点を充分にご理解下さい。

つまり、「遅行スパン」とは、相場が大きく動く時に、その変化のタイミングを直ちに教えてくれる、大変に心強いツールです。とりわけ、相場が均衡の状態から不均衡の状態に変化するタイミングを教えてくれるという点は重要です。

相場が均衡状態にある時は、膠着相場となっているわけですが、この相場が崩れる時に、大いなる力を発揮してくれるのですから、頼りになります。相場というのは、市場参加者の大多数が予想していない方向に動きだした時に大きく反応します。その動き出すタイミングを見出すことが、大きな収益を得るには必要となります。

そのタイミングを一刻も早く教えてくれる「遅行スパン」こそが、最強の相場判断ツールと呼ぶに相応しいと私は思っています。

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2016年08月28日(日)

相場の世界の「8つの法則」(後編) [相場学]

本日は、相場の世界の「8つの法則」の後半部分です。

■価格の法則

相場は横軸とも言うべき「時間」と縦軸とも言うべき「価格」によって構成されていますが、この「価格」に焦点を当てた法則性のことです。価格に焦点を当てるということは、すなわち、日常に行うトレード、すなわち、売買の際に参考とする価格を如何にして判断するかということ、そして、その判断に使う「トレード技術」のことでもあります。

私は、この売買の際の価格判断に、自分の相場判断手法であり、トレード手法でもある「スパンモデル」と「スーパーボリンジャー」を用います。尚、「時間の法則」を適用して相場を判断するに当たっては「アクティベート時間分析」という手法がありますが、価格については、上記2つの手法が軸となります。

つまりは、全体の相場観を時間分析(アクティベート時間分析)で把握した上で、実際の売買のポイントは、「スパンモデル」と「スーパーボリンジャー」で突き詰めていきます。時間分析から導き出される「変化時間帯」が分かれば、その前後の相場の動きを価格分析で絞り込んでいくわけです。

価格は、トレードの損益に直結するものであり、ポジションのコストになるという意味で、もっとも関心のいくのは当然ですが、このコストに拘るあまり、相場そのものが逆に見えなくなってしまう危険性があります。

ポジションのコストばかりを気にしてしまい、肝心の相場の動きの把握がおろそかになってしまうことは避けなければなりません。また、相場の価格推移を見ていても、「値頃感」、つまりは、「割高感」や「割安感」を持つと、結局、相場そのものの動きを見失ってしまう羽目になります。

それぞれの価格には意味があります。同じ価格でも時間が異なると意味が異なってきます。たとえば、1ドル=102円という為替レートの意味は、いつの時点で出現しているかで全く意味が違うわけです。一例として、1ドル=103円から下げて行く途中の102円なのか、1ドル=100円から上げていく途中の102円なのか、局面に応じて意味が変化することが分かります。

いずれにしても、正しい「トレード技術」でもって、正しく判断するスキルを身に付けることが大切です。そして、自分のポジションのコストにばかり拘って相場を見失うことがないように気を付けることが肝要です。


■リスク・リターンの法則

相撲の世界では、9勝6敗は決して強いというイメージはありませんが、相場の世界では、15戦して、9勝6敗が最強である、と考えます。15戦して13勝2敗でも、14勝1敗でもネットのトータル収益にて大きく負け越すことがあるのが相場の世界です。

つまり、相場では、リスクは取りつつも、ダメだと思ったらさっと引く姿勢が大切です。「ダメ」との判断は、基本的には、自らが構築した「トレードルール」に従うものです。この「トレードルール」に従う限りは、最終的に「利大損小(利益が大きく損失が小さい)」となり、生涯収益(キャリア・プロフィット)は右肩上がりに伸びていきます。

また、利益と損失という「二元論的発想」は危険です。利益は良いもの、損失は悪いものという区別そのものが良くないという意味です。利益や損失は、自分の「トレード技術」をベースに「トレードルール」に従ってトレードした結果に過ぎないものです。

言い換えると、エントリー(仕掛け)した後に、エグジット(手仕舞い)を行うという売買の最終結果がプラスになるかマイナスになるかの違いです。このエントリーとエグジットは、「トレード技術」に基づいて相場判断を行った上で、「トレードルール」に従って淡々と行うものです。

「任運自在」という言葉あります。その意味は、「運びに任せて自由にある」ということです。先入観や執着心などに振り回されずに、自らの信念ともいうべき「トレード技術」「トレードルール」に従って淡々とトレードする結果、相場の波に自由自在に乗ることが出来る状態を指します。成功トレードの真骨頂と言っても良いでしょう。

昔から勝負の世界でよく言われる格言に「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」というものがあります。トレードを勝負事に例えるとすれば、幸運な勝利はあっても、「不運な負け」はないということです。過去の自分のトレードを振り返ってみても、大負けしたトレードには、かなり共通した原因が見当たります。この原因を徹底的に追及して繰り返さないことが大事です。この心がけさえしっかり出来ていれば、あとは自分の「トレード技術」を信じて勇気を出してリスクテイクを行うことです。

尚、「負け」の原因は、自分の「トレードルール」を無視したケースが大半であり、「トレードルール」を含めた「トレード技術」を単なる知識だけでなく、知恵のレベルにまで引き上げることが相場で成功する為の秘訣と言えます。
 

■精神力の法則

相場をやるにはタフな精神力、強靭な忍耐力が必要です。「相場は心理戦」と言われる所以でもあります。相場に参加することは、「欲、恐れ、迷い」という人間の煩悩との戦いであり、相場と戦うわけではないということを理解しておく必要があります。

一般的に言って、相場は「勝負する」という一面があります。「リスクテイク」という面も強いです。従って、リスクを前に怖じ気付くこともあり得ます。そして、勝負する以上、決断を迫られることになります。そういう時は、自分の持つ「トレード技術」を信じてさえいれば、「あとはなるようになれ」というぐらいの意識も必要だと思います。

長い投資人生を送る為には、本来、トレードに「失敗」はなく、全ては、「学び」であり、将来の為の「教訓」となるのだと思えるぐらいの心の余裕が大切です。また、収益を得ることに対しての野望がありハートは熱いものであっても、実際のトレードでは心を平静にし、冷静かつ客観的な判断力を高いレベルでキープすることが大切です。

もっとも、このように文章で書き、言うのはたやすいのですが、実際に行動することは並大抵のことではないことは、実際にトレードをしてみて経験するとよく分かります。

しかし、このハードルはどうしても越えなければなりません。さもないと、必ず大失敗を犯す、致命的なミスをしてしまうリスクが高まるからです。その為に、とにかく、初期の段階で様々な経験を積むべく、極力小さなポジションで多くの実践を積むことが必要です。

そして、実践の中で、自分の感情を味わい尽くすことです。たとえ小さなポジションによる小さな利益であっても、また損失であっても、その時に覚える感情と向き合うことが大事です。

とりわけ、損失が発生した時の感情、つまりは、嫌な気持ち、不愉快な思い、様々な形で現れるストレスを感じとることが大切です。そして、この感情、気持ち、思いを如何にすればコントロール出来るかを自ら学ぶことです。

私自身は、自分の持っている「トレード技術」を信頼し、信念を持って相場に臨むことでかなりの程度は解決出来ています。すなわち、自分の「トレード技術」を信用していれば、最終的には「利大損小(利益が大きく損失が小さい)」という結果がもたらされるのだという信念があれば、この荒れ狂う相場に冷静に立ち向かうことが可能になると思っています。

結局のところ、精神力というのは、自分が頼るべきものをどこまで信じることが出来るかで強くなるものだと考える次第です。


■調和の法則

「相場と戦ってはいけない、相場と友達になることが大切」ということです。一般的に、相場は、戦うというイメージがありますが、戦う相手は相場ではなく、実は自分自身です。

自分自身が感じる恐怖や迷いといった人間ならではの煩悩が戦う相手です。従って、相場自体は、戦う相手ではなく、一緒に歩む相手です。まさに調和の法則でもって相場と一緒に踊るイメージを持つことが大切だということです。

そして、戦うのは自分の煩悩です。しかし、これとて、人間である自分自身が生まれつき持っているものですから、そう簡単に乗り越え、解決出来るものではありません。だから、結局は、自分の煩悩を消してしまうのではなく、それはそれとして存在を「認めて」しまうことが良いと思います。

つまり本能的なものとして、それ自体を受け入れてしまうのです。受け入れることを通じて、一歩先へ進むことが出来るのです。まさに、乗り越える感じです。自分の短所を長所に変えてしまう感覚です。より大きな次元で調和していくイメージです。短所も長所も全て丸ごと自分なのだということを認めて、受け入れることからスタートするわけです。

と言うわけで、相場は相対峙するものではありません。相場のリズムに合わせて踊る感覚が大事です。相場に参加している時の自分の欲、怒り、迷いを、まるで傍観者のように客観的に感じながら、相場を冷静に見つめていくわけです。

相場を見つめる為には「目」が必要です。この「目」が「トレード技術」に当ります。私の場合で言うと、「スパンモデル」であり、「スーパーボリンジャー」、さらには、「アクティベート時間分析」です。「トレード技術」を駆使することで、相場の世界に応じた、しかるべき判断ルールに基づき、しかるべきトレードルールに則って売買をすることで、相場と友達になることが出来るわけです。

そこには、自然と「調和」が生まれ、結果として、「収益」と言う産物がもたらされます。あくせく煩悩剥き出しに相場と喧嘩しなくても、リラックスしてストレスを減らして、気持ちよく歩んでいくことが出来るようになるわけです。


以上、相場の世界の「8つの法則」をご紹介しましたが、改めて項目を列挙すると、

1)不確実性の法則
2)トレンド性の法則
3)変動率の法則
4)時間の法則
5)価格の法則
6)リスク・リターンの法則
7)精神力の法則
8)調和の法則
です。

相場と付き合って、相場から収益を得る為には、相場の特性なり特徴を知っておく必要があります。言うなれば、「相場の世界の真理」を理解してくことが肝要です。具体的には、上記の「相場の法則」なるものがあり、基本を理解しておくことが大事だということです。

相場は「調和の法則」の項でご説明した通り、友達となる相手です。友達となる相手のことはやはり充分に知って理解しておく必要があります。また、仮に相場を「戦う敵」と見なしたとしても、その相手を充分に把握しておくことは重要なわけです。相場という世界で支配している「法則」「ルール」を充分に理解した上で、付き合っていくことが大事ということです。

尚、「8つの法則」は相手とする相場に関することだけではなく、実際にトレードしていく上で、こちらサイドがわきまえておかねばならない心構えやスタンスについても触れています。「リスク・リターンの法則」や「精神力の法則」がそれらに当ります。

これらの法則はいわば自分というものに関する理解であり、トレードする主体であるトレーダーがわきまえておかねばならないエッセンスです。言って見れば、相手である相場に関してよりも遥かに詳細に自分のことを知っておかねばならないとも言えるわけです。

トレードの失敗の原因は、相手である相場を正しく分析、判断しても、それに対して売買を行う主体である自分が過ちを犯してしまうことによることが意外と多いものです。間違った先入観、偏見、思い込み、執着心などが失敗の原因に大いになり得るということを充分に認識しておきたいものです。

結局、相場を正しく分析する「トレード技術」を持っていても、それを使って冷静に判断する力に加え、判断結果を謙虚に受け入れる「心のあり方」が極めて大事だとも言えます。私達が考え、それに基づいて行動したことの責任は全て自分自身にあるわけですが、この自分自身をコントロール出来るのは唯一自分だけだということを改めて認識しておく必要があるということです。

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プロフィール

マーフィ

インテリジェンス・テクノロジーズ代表

柾木利彦

1980年、大阪外国語大学(現・大阪大学外国語学部)を卒業後、三和銀行(現三菱東京UFJ銀行)に入行。
ニューヨーク支店、東京本部の ドル円チーフディーラーを経て、1992年米銀大手の『シティバンク』や欧州系大手の『オランダ銀行』東京支店などで外国為替部長として外銀最大級のトレーディングチームを率いて活躍、現在に到る。その間、「東京市場委員会」での副議長や「東京フォレックスクラブ」委員などを歴任。卓越した市場関連知識でもって、テレビ、ラジオ、新聞などで数多くの情報発信を行い、東京外国為替市場の発展に貢献。自身、過去24年に及ぶトレード経験に基づき、独自のチャート分析 (「スパンモデル」「スーパーボリンジャー」等)を確立。
個人投資家に向けて最強の投資法を伝授することをライフワークとして、現在も精力的に取り組んでいる。

活動状況・著書

Murphy's Blog
マーフィーの最強FX投資法を伝授
マーフィー最強スパンモデル
短期〜長期 初心者〜プロまで使える究極の実践的トレード手法
直伝!FX投資法
有料メルマガ&掲示板。実践トレード・コーチング。

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