山岡和雅の「ダックビル為替研究所」
 

2014年04月06日(日)

現行政策を継続見込みも根強い緩和への期待も 〜 日銀金融政策決定会合 [注目材料]

今週7日、8日と日本銀行金融政策決定会合が開催されます。
今月からの消費増税による消費の落ち込みなどへの対策として
一部で追加緩和への期待感が広がっていますが、
市場の大勢の見方は、現行政策の継続と見込まれています。

1日に発表された日銀短観では
もっとも注目される大企業景況感の景況感こそ、
四半期連続改善となる+17を示すなど、
まずまずの結果を示しましたが、
先行きについては+8と
現行の+17から9ポイントという大幅な落ち込みが示される結果となりました。
先行きについては
大企業製造業以外のカテゴリー
大企業非製造業、中堅製造業・非製造業、中小製造業・非製造業という全ての区分けにおいて
足元からの落ち込みが見られる状況となっています。
今月からの消費増税などの影響から
慎重な企業の姿勢が印象づけられる結果となりました。

今回の日銀短観では初めての調査となる企業別物価見通しが
全体の概要の翌日に発表されましたが、
こちらは1年後の物価見通しが平均で1.5%、
3年後、5年後でも1.7%と
政府、日銀の目標とする2%に届いていない状況。
大企業製造業に限ってみると
1年後1.1%、3年後、5年後が共に1.3%と
かなりの低い水準に留まっており
デフレもしくはディスインフレへの警戒感が
相当に根強いことを感じさせる状況となっています。
こうした先行きへの不安感や期待インフレの伸び悩みは
市場の追加緩和期待に繋がっており
今回の会合へ期待する動きにも繋がったようです。

もっとも、
3日に元財務官であるJBIC(国際協力銀行)の渡辺総裁が
株式市場の崩壊などよほどのことがない限り、追加緩和に踏み切る可能性はない
(現在緩和の縮小を進める)米国もなかなか支持しないだろうと
追加緩和に対して、かなり否定的な姿勢を示すなど
全体としては今回の会合での緩和へは否定的です。

黒田総裁は現行の資金供給量を二年で2倍に引き上げるといういわゆる異次元緩和について
効果に相当な自信を示しています。
また、短観でも非製造業を中心とした人手不足感などから
賃金の引き上げなどによる物価上昇圧力の高まりが期待される状況だけに
早急な追加緩和に踏み切る必要性が低いと思われるからです。

もっとも直近で見られる輸出の弱さや
エネルギー関連を中心とした輸入の拡大による貿易赤字の常態化と
ここに来てみられる経常赤字傾向の流れなどへ
海外などから警戒感が広がっていることなど
楽観的な面ばかりではありません。

また、消費増税前の駆け込み需要の反動などから
個人の消費マインドに想定した以上の悪化などが見られた場合
国内外から政府、日銀に対して
成長戦略へのプレッシャーが強まるケースも想定されるだけに
今回の決定事態は現状維持としても、
今後の緩和に向けて、総裁会見などで示唆を行う可能性にも注意したいところです。

なお、足元の景気動向は想定内と見られることから
景気判断については
これまで同様「緩やかな回復を続けている」との文言が示される見込み。
ここに変化があった場合もややサプライズとなりますので
注意したいところです。



Posted at 08時30分


ページのトップへ ページのトップへ

Sponsor AD

プロフィール

株式会社GCI総研

チーフストラテジスト

山岡“ダックビル”和雅

1992年チェースマンハッタン銀行入行、外国為替ディーラーの世界に。1994年ナショナルウェストミンスター銀行(2000年に合併のためロイヤルバンクオブスコットランド銀行に行名変更)に移り、2003年3月まで10年以上にわたってインターバンクディーラーとして外国為替市場の最前線で活躍後、2003年4月からGCIグループに参画。現在GCI総研、チーフストラテジストとして情報配信サイトKlugクルークを中心に為替情報の配信や、セミナー講師などを行う。(社)日本証券アナリスト協会検定会員。

カテゴリーリスト

最近の記事

スポンサードリンク

2014/4

    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30      

検索


当サイトコメントについて

当コメントは情報提供のみを目的として作成されたものであり、投資に関してはご自身でご判断くださいますようお願い致します。また、当資料は著作物であり著作権法により保護されております。無断で全文または一部を転載することはできません。

RSS1.0

[Login]


powered by a-blog
Copyright © 2012 PhiConcept,inc All rights reserved.