山岡和雅の「ダックビル為替研究所」
 

2015年05月29日(金)

(最終回)米利上げ期待の押し上げなるか 〜米雇用統計 [注目材料]

米消費者物価指数の好結果以降、米国の早期利上げ期待が拡大
ドル円が12年半ぶりとなる124円40銭台をつけるなど
ドル高の動きが加速する原因となりました。
そうした中、来週5日金曜日に
利上げの実施時期にもっとも影響を与えると考えられる
米雇用統計(5月)が発表されます。

5月8日に発表された前回4月分の雇用統計は
非農業部門雇用者数(NFP)が
衝撃的な弱さとなった3月分から回復し
前月比22.3万人増と20万人の大台を回復しました。
ただし、3月分は速報の12.6万人増から8.5万人増に下方修正。
4月分の数字も事前予想の22.8万人よりは少し弱めとなりました。
失業率は0.1%低下して5.4%と
2008年5月以来の水準まで改善しています。

各部門別状況を確認すると
製造業では鉱業部門が4ヶ月連続減少と
原油安の影響が残る展開に。
シェール鉱山での稼働リグ減少を背景に
鉱山サポート関連が1.02人減り、鉱業全体で1.5万人の低下に。
数字だけでは大したことが無いように見えますが
41.4万人しかしかいない鉱業サポート部門での月間1万人減はかなり厳しい数字です。
3月分で2013年12月以来の現象を見せた建設業は+4.5万人と
反動増もあって急回復。
製造業は+0.1万人と微増にとどまっています。
非製造業は
小売部門が+1.21万人と
プラスとはいえ1500万人超を抱える大規模分野としては小さな増加に。
毎回全体を支えるヘルスケア&ソーシャル、専門及びビジネスサービスは
ともに好調を維持。
雇用の先行指標として知られる派遣部門も
二ヶ月連続の1万人超えと校長を維持しています。
前回−0.74万人とまさかのマイナスとなって巷の景況感悪化が懸念された
飲食店部門は+2.6万人とこちらも回復を見せました。

こうした状況を受けて
今回の見通しですが
非農業部門雇用者数、失業者数ともに
現状で全く前回と同じ+22.3万人、5.4%となっています。

鉱業の減少はそろそろ打ち止めに近づきますし、
記録的な販売台数となった3月を始め
このところの好調な自動車販売の状況などから
製造業はそれほど弱くない状況が期待されます。
サービス業も前回の小売の鈍さに加え
直近の小売売上高の弱さから
少し調整が入る可能性がありますが
その他部門がそこそこしっかりしているため
前回並みという今の予想はそれなりにしっくり来るところです。

関連指標としては
週間ベースの新規失業保険申請件数のうち
雇用統計計測期間とかぶる5月10日から16日分(5月21日発表)が
27.5万件(速報時点27.4万件)とその前の週の26.4万件から悪化。
更に翌週は28.2万件と悪化傾向にあることが少し気になります。
とは言え30万の大台割れでの推移であり、
予想前後の数字と大きな齟齬があるものではありません。

予想前後の数字が出てくると年内利上げ期待の継続
25万人を超えるもしくはさらに失業率が下がるような状況があると
12月ではなく9月の実施に期待が広がり
ドル買いが広がると期待されます。

前回リーマン・ショック発生時点の水準を下回る10.8%まで下がったU-6失業率や
5ヶ月連続で低下している長期失業率(29.0%)などの数字も
合わせて注目したいところ。
この辺りの順調な改善も早期利上げ期待を後押ししてくると思われます。

※長らくご愛顧頂きました同ブログですが
同ページでは今回が最後の更新となります。
Klugクルーク (http://www.gci-klug.jp/)では
更新が続いておりますので
よろしくお願い致します 
これまでありがとうございました



Posted at 17時42分


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プロフィール

株式会社GCI総研

チーフストラテジスト

山岡“ダックビル”和雅

1992年チェースマンハッタン銀行入行、外国為替ディーラーの世界に。1994年ナショナルウェストミンスター銀行(2000年に合併のためロイヤルバンクオブスコットランド銀行に行名変更)に移り、2003年3月まで10年以上にわたってインターバンクディーラーとして外国為替市場の最前線で活躍後、2003年4月からGCIグループに参画。現在GCI総研、チーフストラテジストとして情報配信サイトKlugクルークを中心に為替情報の配信や、セミナー講師などを行う。(社)日本証券アナリスト協会検定会員。

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