山岡和雅の「ダックビル為替研究所」
 

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2007年05月31日(木)

FOMC議事録〜米当局のインフレ懸念を確認 [為替]

NY時間5月30日午後2時(日本時間31日午前3時)に公表された
FOMC(米連邦公開市場委員会)議事録(5月9日開催分)では、
事前に市場が予想していたとおり
米当局のインフレ懸念姿勢を示す
ややタカ派な内容となりました。

予想通りということもあり、
為替市場への影響は限定的でしたが
議事録公表後に米株式市場が上昇、
ダウ平均やS&P500が過去最高値を更新するなど
金融市場への影響力の強さを感じさせる結果となりました。

今回のダックビル為替研究所では、
FOMC議事録についてみていき、
為替市場への今後の影響を探っていきます。

さて、今回の議事録
ポイントが3点あります。

1つ目は、
当局によるインフレ懸念姿勢が確認されたことです。

議事録では、コアインフレについて、
ほぼ全員のメンバーが不快なほど高いと表明。
一段の低下の必要性を強調しました。
また、今後のインフレ見通しについて、
かなりの不透明性と表現、
インフレが鈍化しないリスクが依然として主要な懸念であるという点で委員会が一致したと表明しています。

市場では、インフレ懸念をしっかり示すタカ派な議事録が出るとの見方が一般的でしたので、
市場の予想に沿った議事録になったことが確認された部分といえるのが
一つ目の箇所です。

2つ目は、
一時サブプライムローン延滞率問題などが話題になった住宅市場の冷え込みについての表現です。

住宅市場の調整が、ほぼ年内いっぱいまで経済を強く圧迫する可能性と述べ、
個人消費を予想以上に圧迫するリスクを掲げて、
経済への悪影響は従来予想以上に続くと表明しています。

以前の議事録に比べて、住宅市場についての懸念をはっきりと出しています。
好調な米経済にとって、もっとも大きな懸念材料が住宅市場にあることを
はっきりとあらわしたといえます。

ただし、他の箇所を見ると、こうした懸念を乗り越える
米経済の力強さへの当局の自信が窺える部分があります。
3つ目のポイント、景気下振れリスクについての表現です。

前回のFOMC議事録などでも見られた
景気下振れリスクについて、

経済活動のリスクは引き続き下向きだが、リスクはやや後退と表明しています。

このところの米経済の順調さを受けて
FRBも景気先行きに自信を持ってきた証拠に見えます。

全体を統括してみると、
住宅市場に関しては依然懸念が残るものの
景気・インフレに関しては強気な姿勢が見られる議事録ではなかったかと思います。

この議事録の外国為替市場への影響はというと、
事前の市場の見通しと近い議事録内容だったこともあり、
発表直後はほとんど反応せず。
その後米株が上昇したことを受けて
ややドル買いが強まるも、値動き自体は限定的でした。

もっともこの声明をうけて
米利下げ見通しはさらに後退しています。

このところの好調な米経済状態を受けて
3月ごろに強まっていたドル金利の早期利上げ期待はかなり後退していましたが
年内というくくりでは、
1回の利下げを織り込む動きが一般的でした。

しかし、今回の声明後の金利市場の動きを確認すると、
年内いっぱいは金利を据え置くとの見方が強まってきたようです。

こうした状況は、
金利動向に敏感な為替市場にも今後波及してくると考えられます。
金曜日夜に雇用統計を控えた段階で、
短期的にどうこうといえるような状況にはありませんが、
中長期的なドル買い材料が一つ加わった
というのが、今回の議事録を受けての個人的な感想です。


Posted at 15時03分  コメント ( 0 )


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プロフィール

株式会社GCIキャピタル

シニアアナリスト

山岡“ダックビル”和雅

1992年チェースマンハッタン銀行入行、外国為替ディーラーの世界に。1994年ナショナルウェストミンスター銀行(2000年に合併のためロイヤルバンクオブスコットランド銀行に行名変更)に移り、2003年3月まで10年以上にわたってインターバンクディーラーとして外国為替市場の最前線で活躍後、2003年4月からGCIグループに参画。現在GCIキャピタル、シニアアナリストとして情報配信サイトKlugクルークを中心に為替情報の配信や、セミナー講師などを行う。(社)日本証券アナリスト協会検定会員。

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