2010年03月02日(火)
ポンド暴落と英財政赤字問題 [為替]
3月最初の大きな動きは
ポンドの暴落となりました。
1月半ばに1.64台を付けていたポンドドルは
ギリシャ問題などを受けてのユーロ売りに絡んだ
欧州通貨全般の売り圧力などもあり
2月に入って1.56-1.58のレンジまで水準を切り下げたあと、
英国自体の財政赤字問題などを懸念する動きなどに
1.55を割り込んでさらに値を落とす動きがつづいていました。
先週発表された英第4四半期GDPが
予想を上回る堅調な数字を記録したものの
ポンドの買戻しはほとんど見られないなど
頭の重い展開が続き、先週末は1.52台半ばで終了しました。
さらに、
週末に行われた世論調査(2日付英)で
6月に行われる英総選挙について
昨年末まで各種世論調査などで
二桁のリードを記録し、
楽勝ムードが広がっていた野党保守党のリードが縮まり、
政局不安が台頭するかたちとなりました。
英紙サンデー・タイムズが報じた「YouGov」社の世論調査では
保守党と与党労働党との差がわずか2ポイント(37%VS35%)
インディペンデント紙が報じた「ComRes」社の世論調査では
差が5ポイント(37%VS32%)と
各種世論調査での差がかなり縮まっています。
これら世論調査の結果通りだと
両党とも単独過半数の確保が難しく
政局が混乱する可能性が高まりました。
連立政権などの形になった場合
保守党政権下で期待された財政赤字削減への動きが
かなり後退する自体が予想されることもあり、
ポンドへの売り圧力となった形です。
週明けの市場では、
こうした世論調査結果を受けて
週末の1.52台半ばから1.51台へギャップを開けて
下げて始まり、
ロンドン市場に入って売りが急加速。
1.50割れ、1.49割れのストップを巻き込んで
1.47台まで一気に値を崩す動きにつながりました。
急落の時間帯に特に大きな材料が出たというよりも
財政赤字問題が尾を引いた形とみられます。
流石に下げすぎた分はその後のNY市場で値を戻しましたが
こうした流れ自体は当面継続の見通しです。
そもそも英国の財政赤字は、
2009年の対名目GDP比で12.6%見通し(OECDエコノミックアウトルック09年11月)と
ギリシャの12.7%とほぼ同水準。
2010年の見通しでは13.3%と
他の先進国をぶっちぎっての弱い水準が見込まれています。
同アウトルックでの
ギリシャの見通しは-9.8%、
日本は09年が-7.4%、10年は-8.2%
ただ、財政赤字削減に積極的な保守党政権への移行が期待されていたため
赤字削減の動きが進むであろうという期待などが
ポンド売りを抑えていた部分があったのですが
今回の世論調査でそうした思惑が一気に後退してしまった形です。
そもそも財政赤字問題自体が
経済構造の問題もあり
一朝一夕に改善するものでもないだけに
結構尾を引くかもしれません。
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