山岡和雅の「ダックビル為替研究所」
 

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2015年04月09日(木)

世界初となる10年物新発国債利回りマイナスに 〜スイス中銀 [経済]

日にスイス中銀が実施した10年もの国債の入札は-0.055%と、
10年もの国債入札として世界で始めてマイナス金利を記録しました。

ECBの積極緩和姿勢もあり
ユーロ圏内やスイス、北欧などで国債利回りがマイナスというケースが増えていますが
長期金利の指標である10年物までマイナスとなったのは
さすがに今回のスイスが初めてです。

1月に対ユーロでのスイスフランの上限を撤廃し
市場を大混乱させたスイス中銀。
もっとも、その後もユーロ買いスイス売りの介入を継続するなど
スイス高阻止の姿勢は崩していないものの
上限設定時に比べてスイス高の状況を受けて
もともとデフレ気味だった物価状況がさらにデフレとなっており
更なる追加緩和に踏み込まざるを得ないとの思惑が
マイナス金利を誘っている模様です。

主要政策金利であるレポ金利こそぎりぎりプラス圏(+0.05%)ながら
中銀預金金利が-0.20%とマイナス圏にあるECBに対抗して
中銀預金金利を-0.75%としているスイス
(政策金利である3ヶ月物レポ金利目標は-0.25%〜-1.25%)。
ここからの追加緩和となると
さらに金利を引き下げるか
スイス国債の買い入れを行うか。
ただ、3年4ヶ月にも及んだ対ユーロでのスイス高防衛を受けて
スイスは外貨準備が拡大、
スイス中銀のバランスシートが膨れ上がっています。。

国民投票で否定されたとはいえ
資産の一部(1/5)を金準備とすることを義務づける法案が提出されるなど
バランスシート拡大に対する一部で批判も強いだけに
中銀としては今後も難しい舵取りが続きそうです。

Posted at 13時32分 パーマリンク


2015年03月09日(月)

米景気の力強さ 〜雇用統計に関する私見 [経済]


6日金曜日の米雇用統計は予想以上の強さとなりました。
非農業部門雇用者数は
予想の+23.5万人に対して29.5万人の好結果
失業率は元々改善するという事前予想よりもさらに強い5.5%まで低下と
力強さの目立つ結果になりました。

今回の結果を受けて
市場では3月17日18日のFOMCでの「patience忍耐強い」の削除が
ほぼ確定的との見方が広がった上
これまで9月が主流だった利上げについて
6月ではとの期待が拡大。
為替市場での期待に比べると保守的になりがちな
金利先物での織り込みでも
発表前まで54%だった9月までの実施が
66%まで上昇するなど
利上げへの期待感が広がっています。

内訳について簡単に見てみると
製造業関連で印象的なのは
ここ二回の鉱業のマイナス。
元々の雇用者数が小さいこともあり
数字的に大きなものではありませんが、
ここ2回で0.6万人、0.8万人と減少しており、
シェール鉱山の操業停止が広がっている状況を印象付けています。

サービス業では
5.87万人も雇用が増えた飲食店の勢いが目立ちました
教育及びヘルスケアや専門及びビジネスサービスは相変わらずの好調ですが
専門及びビジネスサービスのうち、雇用の先行指標として知られる
テンポラリースタッフがマイナスに。
ただ、これは人材の雇用が非正規から正規に変わりつつある状況とも捉えられ
逆に強さを表している可能性があります。

全般には強さが印象的な状況だけに
今日から国債買い入れが始まるユーロが売られてドルが買われる今の状況は
非常に自然な動きという印象。
当面はドル高がベースとなりそうな個人的な感想です。

Posted at 14時29分 パーマリンク


2015年02月25日(水)

見解分かれる議会証言、6月利上げ期待はやや後退へ [経済]

24日に上院銀行委員会で行われた
半期に一度のFRB議長による議会証言。
イエレン議長は
注目された「patience」(忍耐強い)というキーフレーズに関して、
その後数回は利上げが正当化される可能性が小さいと判断していることを示しているとした上で
金利変更までには変更する、
ただし、変更後数回の会合で必ず利上げを実施すると解釈するべきではないと発言。
3月のFOMCでのキーワード削除の可能性を示しながら
それが=6月の利上げにつながるものではないことを強調しました。

この発言は、
6月の利上げの実施の可否はともかく、
選択肢に含めるために3月に同文言を削除するべきという
メスター・クリーブランド連銀総裁(FOMCでコミュニケーション委員)の
発言などとも整合性が取れるものです。

そうした意味では3月の同文言削除の可能性が拡大したといえます。
ただ、
議長が強調したとおり、それが6月の利上げにつながるかどうかはなんともいえないことに。
経済状況次第ということになりますが
ポイントとなる労働市場を含めた景気見通しについては
家計の財政状態はこれまでより良くなっており、雇用情勢も改善している。
賃金は実質ベースでそれほど大きく伸びてはいないものの、労働時間は増えており、雇用も増えている。
と状況の改善に触れているが
議長が重視しているといわれる
U6失業率について
通常の失業率5.7%に比べて明るくない状況を示している。
いわゆる完全雇用が実現したとは感じていない
労働参加率は低下しており、当面は上昇を見込んでいないなど
まだまだ厳しい状況にあると、
慎重な姿勢を示しています。

住宅市場も想定したようには回復していないと発言するなど
依然として慎重な姿勢が目立つ証言となっているだけに
市場では6月に利上げに踏み切るという見方が少し後退
9月が本線となりつつある様子です。

利上げ期待の後ろずれはドル売り材料となるため、
ドル円が119円台半ばから118円台に落とされるなどの動きに。
今日の下院での議会証言(テキストは同じですが質疑応答でどのような発言が出てくるのか)もあり
まだ動きが不透明ではありますが
上昇に水を差された格好といえます。

Posted at 11時33分 パーマリンク


2015年01月26日(月)

ギリシャ選挙結果と今後 [経済]

25日に行われたギリシャ総選挙において、緊縮財政に強く反対する急進左派連合(SYRIZA)が大勝、
97.6%開票時点で前300議席のうち149議席と、過半数に迫る議席数を獲得した(得票率トップの政党に与えられる50議席込み)。
与党であった新民主主義等(ND)は76議席で第二政党に、
極右である黄金の夜明けが17議席で第3党、
昨年春に生まれた中道新党ポタミ党が同じく17議席で第4党
ギリシャ共産党が15議席
独立ギリシャ人が13議席
かつての二大政党のひとつで、2009年から12年まで政権を担っていた全ギリシャ社会主義運動(PASOK)が13議席となっている。
これによりSIRYZAのチプリス党首が首相に付くことが決定的
事前にはポタミが連立相手として有力と見られていたが、
独立ギリシャ人が連立に前向きな姿勢を示しており
連立相手となる可能性が強まっている。

SYRIZAはギリシャの緊縮財政に強く反発姿勢を示しており
公約として対EUなどへの債務の削減を求めていた。
親EU姿勢で知られるポタミが連立相手の場合、
ある程度はバランスをとってくる可能性が高かったが、
他政党との連立が現実味を帯びたことで
SYRIZAの発言力が強まることが確実視されている。

ただ、債務の削減はドイツが強硬に反対している
先週のECB理事会での緩和決定にもドイツは反対しており
状況次第ではユーロ圏の混乱が広がる可能性もありそう。

Posted at 14時44分 パーマリンク


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プロフィール

株式会社GCI総研

チーフストラテジスト

山岡“ダックビル”和雅

1992年チェースマンハッタン銀行入行、外国為替ディーラーの世界に。1994年ナショナルウェストミンスター銀行(2000年に合併のためロイヤルバンクオブスコットランド銀行に行名変更)に移り、2003年3月まで10年以上にわたってインターバンクディーラーとして外国為替市場の最前線で活躍後、2003年4月からGCIグループに参画。現在GCI総研、チーフストラテジストとして情報配信サイトKlugクルークを中心に為替情報の配信や、セミナー講師などを行う。(社)日本証券アナリスト協会検定会員。

活動状況・著書

Klugクルーク
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為替・海外投資・ヘッジファンドに関するニュース・レポート・コラムを掲載
はじめての人のFX基礎知識&儲けのルール
FXの基本知識から設けるルールまでを解説
外貨投資ネットでラクラク儲かる方法
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